露店もついに二週間目に入った。そして私達と同じような、探索者の人達の来店が出始めている。しかしこれは日誌なのだから顧客のことはあまり書かないように心掛けよう、プライバシーって大事じゃない？それで初めて知ったことなのだけど、どうやらどこかにある掲示板で、店の情報をまとめた張り紙に私達の呪法露店も掲載されていたらしい。合わせて一週間も営業していないのにどこから聞き付けたのだろう、とは思うものの知名度の上昇の一因であるならそれはそれで嬉しいことなのかな？……少なくともこてんぱんな悪評が無ければ、の話。

予想していた通り、とりさんの螺子は動力の一部だった。漂流中のとりさんが動き出した時にも螺子を巻いたような記憶があってそうじゃないかと思っていたけど、明らかに動きがおかしい時に何気なく巻いてみたらそれは確信に変わった。外部入力の余地を残した傀儡なんて高度な物、近所のすごい家の管理を任されているらしいルウナさんくらいだったと思う……本当にどういう仕組みなんだろう。それを調べるために図書館にも足を運んだのだけれどそれといった資料も無く、それどころかウィークリッチについての本も一冊も見つからなかった。収穫といえばとりさんが本を読んでいるところが見られたくらい？それでも充分驚いたけど。

探索の方は上々。テリメインでの月曜日がこの間のハロウィンの夜に続けて特別な満月が出る日だったものだから、報告書がその二回分だけ普段の倍以上の厚みを持ってしまった。次くらいは休んでも……駄目かな、もう日付を書いてしまっているから。ともかく、その成果が存分に発揮出来た戦闘だったと思う。とりさんに新調してもらってから初めての実戦だったけれど紋様の投射も良好であったし何より、仲間がいると戦闘や探索がぐっと楽になることがある。通信機のお陰で連携も取りやすかったと思うし。 　練習戦闘の相手は……あれは厳しいものがあった。あの人達に勝つにはかなりの鍛錬を積む必要があるだろう、傭兵を生業としていると言っていた記憶があるので戦闘には慣れているのかもしれない……

今まで軽くしか見て回っていなかった商業区域を、改めてチャコととりさんで買物に回ってみた。 　色々知らないものもあって、とても楽しい時間を過ごすことが出来たのだけど、水着ってあんなに露出が高くても大丈夫なの？チャコはみんなこんなものよ、と言っていたけれど、確かに棚にはそんな物しか並んでいなかった気がするし。文化の違い？少し気になるけど、協会に提出する分の遺跡探索も終わったことだから今度遊びに行けるのがとても楽しみ。他にも色々買ったことだから、日をおいて下ろしていこう。

拠点に何故か、どこかで見たような酒瓶が流れてきた。確か、私が魔女学校に入学した時に見せてもらったのだっけ……色々懐かしい気分になった。しかし何故流れ着いたのだろう。……事件の匂い？今度近い酒場に行って、情報を集めてみることにする。 　勿論、中身をよく確認してチャコさんととりさんで開栓した。ある程度開栓方法を覚えていたからいいけれど、あれを何も知らない人が拾ったらただの鈍器にしか見えないのでは？……他の場所にも流れていないことを祈ろう。

クーリエはアイテムNo.6 焼き魚 を使用した。

敏捷が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

クーリエは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。