ナマコの調理はやはり難しかった。中に内蔵があるであろうことはわかっているので、それを取り出したかったのだが、二人でああだこうだやっているうちに、その身がズタズタになってしまった。ようやくそれっぽく切れたものの、妙に硬い部分と、やはり臭みが残ってしまっていた。洗い方が悪かったのだろうか。わざわざ宿泊施設にまで戻ってちゃんとした水で洗ったと言うのに。ラウラハルトは不満げに思っていた。知る人が見れば、近くの海水で洗ってしまうのが簡単かつ正しいやり方だとわかるが、誰にも教えられることはなかった。またこの見た目が醜怪な物体を酸味のきいた……つまり、酢で味付けしようとしたのだが、その酢を入れすぎたのか、さっぱりという表現からは遠ざったきつい味付けになり、食べたくもないもの、つまり失敗してしまったのだ。 　その日は結局、ついでに捕獲した魚をフィニスに焼いてもらい、見事な焼き魚が出来た。ただ焼いただけだが、塩気もあり、十分に美味しい。単純で懐かしい味を二人で味わいながら、初めてのテリメインでの休暇が終了した。 　生命の危機に晒されていない生活は実に楽しかった。 　今回は一人用の宿泊施設を一部屋取り、フィニスと共有することにした。 『海中巡航ホテル“八四〇一”』 　寝台を一つ追加すれば二人部屋にすることも可能らしいが、水の中だというのに、屋根と床があるだけでもありがたい。それに下手に快適慣れをしてしまっていたら、過酷な環境下に送られた時に非常に苦労するのが目に見えていた。それでも十分すぎるほど、素晴らしい環境だった。 　客の中には見知った顔もいた。 　金髪赤眼のミルフィーユと言う名の少女で、完全に休暇を過ごすためにここに来たようだった。見るからに育ちが良さそうなのに、なんでまたこんな開拓地めいた場所を旅行先に選んだのか。それとも何か勘違いしているのか。 　そして、彼女と行動を共にしている渡来葉月と言う赤毛の男。この男はものすごく目立つ。うるさいわけでもない。むしろ落ち着きを払った風貌で、静謐さがにじみ出ているというのに、異様な存在感を放っていた。なぜなら、それだけ知的な様子を見せておきながら、身につけているものが赤ふんだからだ。あまりに気になって、気になりすぎて、ラウラハルトは赤ふんソムリエなる集いに顔を出してしまった。 　赤ふん。慣れない代物だった。彼があのように堂々と着ているのだから、きっと水着の一種なのだろう。しかし、前に垂れている布地はそれなりの大きさをあるが、背面の尻は丸出しに近く、谷間に食い込む布がまた妙に尻を強調していて、ひどく恥ずかしい恰好のようにラウラハルトには思えてしまう。それがまた、思春期の彼の興味を唆ってしまっていた。まだ着用する気にはなれないが、陽の光に焼かれなさそうな深海に潜りそうな時があれば……と密かに思う少年であった。 　こうして、テリメインでの平和な時間を過ごしていた。今日もまた、ラウラハルトはのんびりとした朝を迎える。 　今日ものんびりしよう。誰に邪魔をされることもなく、大好きなフィニ姉と、面白い人達と。 「あ。そうだ。今日も焼きそば食べてから行こう」

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

バカンス

青く輝く海ッ！
申し訳程度に残った陸地の真っ白い砂浜ッ！
キンキンキラキラと照りつける太陽ッ！！！

そう、ここはバカンスにピッタリ夢の世界、テリメイン！
水着の美男美女ッ！
トロピカルな熱帯魚と珊瑚礁ッ！

さあ心ゆくまで羽を伸ばし、
この穏やかなる海セルリアンを全力で堪能するのだッ！

しかし注意せよッ！　穏やかな海域とはいえ、未知なる生物が居ないとも限らないッ！
そんな障害なんぞ乗り越え、全力でバカンス出来る、
ラウラハルトのユートピアを今こそ探し出すのだッ！

のびのび楽しくバカンスしていたところに、一報が入ったぞ！
【テリメイン最先端探索協会】と呼ばれる、
海底探索者協会の最前線の施設に探索者が到達した、との知らせであるッ！

どうやら、そこまでのルートは探索者たちが確保している。
ラウラハルトもさらなるバカンス充実（バカ充）のため、そちらに足を延ばしてみよう！
どうやらその施設には、先へ進む者たちのために
最新のスキルストーンやチューンジェム、
その他魅力的な意味のない置物やタペストリー、キーホルダー諸々を取り扱っているそうだッ！！
ここらでバカンスお待ちかねのショッピングと洒落込むのも良いだろうッ！

おみやげはお小遣いから買うといいぞ！！

ラウラハルトは周辺を探索…………。

SSシェルボックス（低）を手に入れた！

ラウラハルトはSSシェルボックス(低)を購入した。

ラウラハルトはSSシェルボックス(低)を購入した。

ラウラハルトはSSシェルボックス(低)を購入した。

ラウラハルトはSSシェルボックス(低)を購入した。

ラウラハルトは器用を訓練した。
ラウラハルトは器用を訓練した。
ラウラハルトは器用を訓練した。
ラウラハルトは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
ラウラハルトは敏捷を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

目的の決定