+++++++++++++++++++++++++++++++++++ PNo.973 ミシカルの日誌からの続きになります +++++++++++++++++++++++++++++++++++ 「うぅ……ミシカル、本当にスミマセン…」 「大、丈夫。気に…しないで。……ちょっと…面白かった……」 数分後、どうにか船に這い上がった二人は、並んでずぶ濡れの服の水を絞っていた。 眉を下げて謝るカエリオに、ミシカルは気にしていないと告げて微かに笑う。 「でも、釣竿拾えて良かったでス」 「…あんなの、ボロ、だし……別に、よかった…のに」 「ダメですヨ！使い込んで手に馴染んだモノほど大切にしなきゃでス。 いざという時本当に助けになルのはそういうモノですからネ」 「うん…」 暫くそうして他愛ない話をしていると、不意にミシカルが「そういえば」と 何かを思い出したような顔をする。 「カエリオ。テリメイン、って……聞いたこと、ある？ 最近、見つかった……まだ、よく知られてない…海…らしい。けど」 「テリメイン？」 聞き慣れない名前に首を傾げるカエリオ。 ミシカルも「噂に聞いただけなんだけど」と曖昧な顔で頷く。 「…オレ、海に、出てから。結構、長くて。色々な所、行った…けど…… まだ、全然、ユグム…知ってる、人に、も。会ったこと…ないんだ。 だから、そのうち。そこ、行こう…って……思ってた。 いい、機会、だから……行ってみようか」 まだ見ぬ海。その言葉にカエリオは瞳をきらきらと輝かせた。 「行きましょウ、テリメイン！行きたいでス！ まだ見たコトのナイ海……ワクワクしまス！」 しかしそこで「ただ」と区切り、ミシカルはまた溜息を吐く。 「この、艇…ガルビークは。あんまり、船旅には…向いてない。 武器、ありったけ、積んでるし…すごく……狭い。…二人で、乗ると。すごく」 「狭いの、慣れてまス。それに僕は、あまり食べなくても大丈夫デス。 食べるのダイスキですケド、食べなくても平気。 ミシカルはいっぱいいっぱい食べそうだかラ、その分だけいっぱい積んでくださイ！ 僕はミシカルと居たいでス」 何のことはないとニコニコ頷くカエリオに、ミシカルはきょとんとした表情になった。 「……カエリオ。オレ、そんなに、大食いに…見え、る？」 「アハハ！たくさん食べルのはイイコトでス。命の恵みいっぱい貰えまス。 アッそうだ、新しい土地に旅立つのなら、海神にお祈りしなきゃいけませんネ！」 「お祈り？」 「ハイ！おまじない、でス」 そう言ってカエリオは三度ミシカルの手を取ると、それを自身の口元に近づけ、 指先へと小さく口付けを落とした。 そのまま厳かな声音で、古い言葉を口にする。 ≪海よ≫ ≪貴方の子たる我らの旅路を見守り給え≫ ≪嵐の波に立ち向かう心と、霧の海原を進む勇気を与え≫ ≪希望の灯火で行く末を照らし給え——≫ 改めて聞くとその言葉はまるで歌のように不思議な韻を持っていて、耳に心地良い。 暫し時を忘れて聞き入っていると、やがて句を述べ終えたカエリオが 満足そうにふふふと笑った。 「…よし！これでミシカルにも、海神の加護がアリますヨ！」 「加護？」 「ボクの故郷の慣わしでス。海に出る前、漁師達はこうして互いの無事を祈るんですヨ」 「そう……。じゃ、オレ、も…お返し。していい？」 「ハイ、どうぞ！」 お返し、と聞いてカエリオは嬉しそうにニコニコとする。 ミシカルは見様見真似でその手を取ると、ゆっくりと自身の額に押し当てて目を閉じ、 すぅと息を吸い込んだ。 その刹那。 （……アレ？風が…止んダ？） それまで周囲に吹いていた筈の風がぱたりと止み、しんと辺りが静まり返った。 それどころか海鳥の声や波の音さえ、さあっと潮が引くように遠ざかったような気がして、カエリオは隻眼を瞬かせる。 ≪——君がいつか、在るべき処へ帰れますように≫ 「…………ッ！？」 瞬間。指先に熱い程の熱が生まれ、胸をぎゅうっと鷲掴みにされるような感覚が走った。 カエリオは思わず息を詰め、きつく目を瞑る。 堰を切ったように突風が吹き抜け、艇をぐらりと大きく揺らした。 「…どう、したの？」 やがて、声が耳に届いた。 そっと目を開くと、気遣わしげにこちらを覗き込むミシカルの姿がある。 視線が交わると、少しずつ耳に世界の音が戻ってくる…。 「ミシカル…アナタは……」 「ん…？」 （気付いてナイ…？） 紡がれた言葉が古代語であったことにも、一瞬の異変にも、 ミシカルは全く気付いていない様子だった。 ただ不思議そうに首を傾いでこちらを見ている。 …その目に偽りや誤魔化しの色は見えなかった。 「……イエ、何でもないでス」 カエリオはかぶりを振って息を吐く。 ひょっとすると気のせいだったかもしれない。 そう思って気を取り直し、いつもの笑みを浮かべた。 「あぁ、もう陽が落ちてしまいますネ。早く戻って獲物解体しまショ！ ボク、おなかペコペコでス～」 「あ…本当だ。それが、済んだら。明日、から、旅支度…しないと。ね」 「旅支度！？わあ、楽しみでス！ボク、いっぱいお手伝いしますネ！」 「うん」 薄闇に包まれた浅い夜の海に明かりを灯し、艇は再び走り出す。 二人が未開の海テリメインへと足を踏み入れるのは、それから数日の後のことだった。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

カエリオは周辺を探索…………。

焼き魚を手に入れた！

カエリオはスラッシュを購入した。

カエリオはスラッシュを購入した。

カエリオはクロールを購入した。

カエリオは敏捷を訓練した。
カエリオは敏捷を訓練した。
カエリオは敏捷を訓練した。
カエリオは器用を訓練した。
カエリオは器用を訓練した。

スキルNo.1 スラッシュ をアイテムNo.3 回避 で改造！
スキルNo.1 スラッシュ に 回避 を付加！

目的の決定