～アクア航海日誌　２日目～

	「うひゃーっ！ここが新天地の地上っスかー！！」

アクエリアス、大地に立つ。 と、大げさに言ってみるも、実際はただ砂浜に足を踏み入れただけである。 ここがテリメインの地上…なのだが、アクアはここがまずテリメインであることさえ知らないだろう。 そう、ここはまさに新天地なのだ。

	「でもなんか、はじめて地上にきた時とあんまり変わんない気がするっス！」

	「そうでしょうね。普通の砂浜ですし…よいしょっと」

そう言いながらも、ロジィは潜水球から降りてきた。 ロジィは、あの小さな潜水球に乗っていただけあって小柄な少女であった。 もっとも、さすがにアクアほどではないが。

	「おー！　ちゃんと出られるんスね！！　その中で生活してるのかと思ったっスよー！」

	「そんなわけないじゃないですか、出られなかったらお腹がすいて死んでしまいます」

	「ひえー！　それは勘弁っス！　たくさん食料を積んでおかないといけないっス！」

	「…確かに、携帯食料を保存できるスペースをもう少し確保しておくべきかもしれないですね」

そして彼女はロジィ。アクアが地上に降りる前に出会った少女である。 前回とかなり話が飛躍しているが、詳しくはロジィの今回の日記参照である。 907.html ↑ロジィの日誌 …そして、ロジィは先程その潜水球の動作試験を終えたところである。 これから、この潜水球をさらに扱いやすくするなり、長距離航海をするなり 戦闘面を強化するなど、課題が山積みになっているところである。 アクアの何気ないその言葉も、耳にいれておくほどには熱心だ。

	「おかえりですよ、無事で何よりですー」

	「あっ、ハーヴさん」

	「ハーちゃんっスね！」

	「はーい、ハーちゃんですよー♪」

彼女の名はハーヴェン。どうやらロジィの同行者のようである。 名前を気安く呼ばれるとどことなく嬉しそうに返事をした。 まだ出会ったばかりにしてはなかなかにフレンドリーだ。

	「それにしても、お前がさっき使っていたつーしん技術？　中にいても声が聴けるなんてすごいっスね！」

	「つーしん…もしかして水中伝声装置のことですか？　そこまで大層なものではないのですが…」

	「素晴らしいテクノロジーっス！　教えてほしいっス！！」

さっそく、潜水球のテクノロジーに飛びついてきた。 このアクアにとっては、それもはじめてのテクノロジー。 目をキラキラしながら聞き込みを開始する。

	「…興味があるのですか？　あるのですね？　いいでしょう、まずこれは酸素機関潜水球と言って…」

	「その話長くなっちゃいますか？　もうお昼になりましたし、ハーヴは先にカフェに行ってご飯にしますねー」

	「ごはん！！　食べにいくっス！！」

	「えー」

この食いつきっぷりである。 テクノロジーは大事だけどまずはご飯である。おいしいものに勝るものはない。 アクアはハーヴェンに飛びついていく。結構ひんやりする。 ハーヴェンは、飛びついてきたアクアを見てなんとなく手を差し出し、手のひらに乗せてみた。

	「アクアちゃんって本当に小さいですねー、妖精でしたっけ？」

	「そう、妖精ってやつっス！」

	「実は初めて見るんですよね、さわってみてもいいですかー？」

	「いいっスよ！」

	「いいんですか…？（そんな簡単に…）」

ハーヴェンは手をわきわきさせながら言ってみた。 アクアのことが気になる故の行動なのだろうが、なかなかに大胆で遠慮のなさが見えた。 ハーヴェンもまた、好奇心旺盛といった様子であった。 妖精というものを初めてその目で見たのである、気にならないはずがない。

	「うひゃひゃっ！くすぐったいっスよー！」

	「思ってたよりぷにぷにしてますねー、水の妖精って言うのでてっきりぴちゃぴちゃするのかと」

	「そういうふうにもできるっスよ？　髪を触ってみるといいっス！」

アクアのほっぺはみずみずしくてぷにぷにしている。 そして、言われた通りに髪を触ってみると、髪が確かに水であり、液体を触れている感覚がする。

	「うわー、ひんやりしてますね！」

	「髪だけでなく身体の半分までなら水にできるっスよ～♪」

	「へー、すごいですねー！」

	「（身体の半分を水に…？　ひょっとして、生身で水圧に耐えれる秘密はそこに…？）」

ハーヴェンはますます興味を示した様子にじーっと見つめている。 そしてロジィは、その会話を横目にアクアが水圧に耐えれる理由を考えたりしていた。

	「なんスかなんスか？　そんな見つめられると照れるっスよ～！」

	「アクアちゃんっておいしそうですねー」

	「！？」

なぜ唐突にそんな話に。アクアはビクッとして飛び退いた。

	「あっしは食べてもおいしくないっスよー！きっと塩水の味しかしないっス！」

	「冗談ですよー」

アクアは体格差的にも考えて食べられてしまうのではと脳裏によぎった。 だが、冗談のようだ。にこっと笑いながらハーヴェンはそう言った。 しかし、本当に冗談なのだろうか…ハーヴェンは思ったことを正直に口にだしてしまうタイプに見える。

	「ひょっとしてお腹が空いてるっスか？　あっしを食べるよりもそのカフェとやらに行くっス！」

	「そうでしたー、行きましょう！」

	「アクアちゃん、あとでボクにも身体を触らせてください」

	「ま、まさかロジィもあっしを食べようと！？」

	「食べません」

ロジィはおそらく、アクアの身体の仕組みが気になって触察してみたかっただけなのだろう。 潜水球はまだまだ改良の余地がある、何かしらのヒントが見つけるためにも…。 そんな会話をしながら、三人はカフェに向かうのであった…。 まだ、出会ったばかりで互いによくわからないまま。 自分のこと、みんなのこと、これからのこと…よく話し合おう。 大盛りのカレーを頼みながら。 つづく。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

アクアは周辺を探索…………。

焼き貝を手に入れた！

アクアはSSシェルボックス(低)を購入した。

アクアはTGシェルボックス(低)を購入した。

アクアは精神を訓練した。
アクアは精神を訓練した。
アクアは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
アクアは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
アクアは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

目的の決定