オークのおっさんとの戦いも終わって、めでたくテリメインの旅が始まった。 オレはてっきりアレ、もうちょい手心とか加えてくれるもんだと思ってたんだが、全然本気だったなあれ。 割と普通にタコ殴りにされたから、受付の姉ちゃんいなかったら負けてた。 これが実は連中がグルで、マッチポンプみたいなのだったら嫌だな…。 さて、遺書の続きだが。 続きと言っても生い立ちについてはもうあまり書くこともない。 孤児なんで施設に放り込まれたが、そこでオレの特殊能力が発覚。ヤバそうな気配を感じたので脱走。 あてもなく放浪している内に何やかんやで運送屋をやることになった——それくらいだ。 前述した特殊能力というのは、一つは身体が物凄い頑丈、というかやたらすぐ治る。 最初はそれが普通と思っていたのだが、孤児院の他の奴を見てて、どうも自分はおかしいらしいと気づいた。 アングラな生活をしていた頃はかなりキツい目にもあったが、こいつのお陰で今でも五体満足だ。 多分だが、頭が残っていれば何とかなる。 二つ目は他者を癒せること。 これは自前の再生ほど凄まじい効果は出せないが、道具も薬も無しで治療出来るのは便利だ。 これらの力は、どうやらオレのテンションで効果が左右されるらしい。 しんどい時は治りが遅く、ノッてる時はすぐだ。分かりやすくはある。 なので、オレは出来得る限り前向きでいようと思う。まあそうでなくとも前向きの方が良いのだ。 オレ曰く、『でかい宇宙や広い海でも、前が前なのは変わらない』だ。 今日から探索だ。PTも組むことが出来た。 どんな旅路になるかは分からんが、楽しんでやっていこうと思う。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。