勢いに任せて瓶に手紙を詰めて流してみた。 でも文字、というか文章を書くのは苦手だ。 あのへたっぴな手紙がどこに流れたのかは知らないけれど、あたしの所にも一通瓶詰の手紙が届いた。 中身は小さなボトルに、淡く光る石の欠片と小さなメモ紙が一つ。

	なつき
	「んはは、綺麗だねー。なんて石なんだろ？」

メモ紙を開くと丁寧な挨拶が書かれていた。 読むのも得意ではないけれど、無事に最後まで理解できた。スキルストーンは便利だ。 これは探索者協会の一員から送られてきたもので、交流を希望する文章みたいだ。

	なつき
	「……あ！　誰のかわかってるなら本人に石のこと聞けば良いんじゃん？」

差出人がわかってるなら返事くらいは協会で取り合ってくれるかもしれない。 探索者同士、いつかは顔を見るだろうけど、まずはブンツウというやつだ。 ちょっとどきどきする。 瓶に手紙を詰めるのが流行っているようだから、返事と別に今回はマクレガーくんのプロマイドでも流してみよう。 ——。・——。゜〇—————゜。———— 　うちの召喚契約してる鮫には面白い子がいっぱい！

次郎はあたしの言うことちゃんと聞いてくれるいい子。 昔から、取り敢えず次郎に頼めば大体何とかしてくれる。今は小さいから無理だけどいつもは背中に乗せてくれるんだ。 時々鮫のくせに「年頃の娘がはしたない……」ってぼやいてくる。けど、まあ知ったこっちゃないね。元は海神の遣いだったんだって。よく知らないけど。

マクレガーくんは自称アイドル。 昔持ってたぬいぐるみと似てるんだ。お調子者で威張ってたんでいじくったら舎弟になってくれたよ！元々が今の次郎くらいのサイズなのに更に小さくなった今は玩具みたい。

ブルーハワイちゃんは……サメ人間？　かな。 ぶっちゃけ顔以外サメじゃないけど器用で裁縫も料理も得意な女の子だよ。筋肉モリモリなのにすごいよね！でもちょっとシャイでね、あんまり喋らないんだ。いつも背の高いブルーハワイちゃんが並んでたから今は変な感じ。

ジャンバルジャンさんは紛うことなき鯨！でもって白い鯨なんだ。 よく「ぶえええー」って鳴いてるびびりで泣き虫、それが無ければただののんびり屋なんだ。可愛いでしょ？「芋焼酎」って言葉が好きなんだって。この子もいつもは体が大きくて震えると地響きするんだよね。

もい子は一緒に遊ぶと楽しい尾っぽの長いサメ！ 気が合うからよく一緒にふざけてるよ。時々エネルギッシュ過ぎてついていけないけど見てると面白いよ。夢見がちだけど実はシビアな現実を知ってる猫の皮を被ったサメだよ。王子様募集中なんだって、あたしにはよくわからないね。

ゴンちゃんこと権田原権蔵は癒しの力を持った気の利くサメだよ。 話も聞いてくれるし一緒に過ごすと落ち着くかな。物分りも良いし結構紳士な鮫なのかも、なんて。紹介した中では一番人当たり良くてまともかも！ その飾らない好印象がマクレガーくんからライバル視されてるね。何を気にしてるんだか。 　みんな居れば退屈しないね！ 　いつもは喚び出す度に魔力で環境適応させてたけどテリメインは大体が海の世界だから皆泳げて良い感じ！

	なつき
	「なっはっはっは！いつまでも潜っていられそー！」

	次郎
	「気のせいだ。スキルストーンの酸素が切れれば嫌でも……」

	なつき
	「わーってるよー。なんでそう真面目に返すかねー？」

	次郎
	「ぬ……」

	マクレガーくん
	「姉御も楽しそうですねい！　海好きですもんね！」

	なつき
	「えへへー、なかなか無い機会だかんね！」

	もい子
	「なっちゃん！？　あたしと海……どっちを選ぶの！？」

	なつき
	「勿論、君を連れた海で最高の時間を過ごすよ……」

	なつき
	「んはは、口先だけ感が半端ないー！　無理だー！」

	もい子
	「きゃははは！　なっちゃん好きー！」

	マクレガーくん
	「それで良いんだもい子さん……」

	ジャンバルジャンさん
	「ぶええ……でもここの海にはどんな魚がいるかわからないんですよねえ。 僕こんなに小さくなっていつ食べられるかと思うと……ぶ、ぶええ！　ぶえええ！！」

	ゴンちゃん
	「ああっジャンバルジャンさんがマナーモードに！　大丈夫？」

	ブルーハワイちゃん
	「……」

	なつき
	「さっすがブルーハワイちゃん！　震えるジャンバルジャンさんを抱擁で宥めるのもお手の物だねー？」

	マクレガーくん
	「恐怖で固まってるだけじゃありやせんか？　あれ」

海の中をみんなで泳ぐのも好きだし、居るだけで落ち着くし、本当にいつまでも潜ってられそう。 　海はあたしの始まりの世界だ。 　未知の沈んだ海底を、波が蓋をして陸まで寝そべっている。沈んだ先にはあたしと全く違う沢山の生き物が動いて、揺らめいて、水を叩いて暮らしてる。 　あたしが、初めて得た興味だ。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

バカンス

青く輝く海ッ！
申し訳程度に残った陸地の真っ白い砂浜ッ！
キンキンキラキラと照りつける太陽ッ！！！

そう、ここはバカンスにピッタリ夢の世界、テリメイン！
水着の美男美女ッ！
トロピカルな熱帯魚と珊瑚礁ッ！

さあ心ゆくまで羽を伸ばし、
この穏やかなる海セルリアンを全力で堪能するのだッ！

しかし注意せよッ！　穏やかな海域とはいえ、未知なる生物が居ないとも限らないッ！
そんな障害なんぞ乗り越え、全力でバカンス出来る、
なつきのユートピアを今こそ探し出すのだッ！

暖かな海、緩やかな潮の流れ、色とりどりの魚たちッ！
まだまだこの海は、バカンス出来る場所がありそうだッ！

なつきは周辺を探索…………。

焼き魚を手に入れた！

なつきはSSシェルボックス(低)を購入した。

なつきはSSシェルボックス(低)を購入した。

なつきはTGシェルボックス(低)を購入した。

なつきはTGシェルボックス(低)を購入した。

なつきは魔力を訓練した。
なつきは精神を訓練した。
なつきは敏捷を訓練した。
なつきは魔力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
なつきは魔力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

目的の決定