03

	ポット
	「バカンスだよ！　テリメイン！　の巻♪」

	リック
	「てれれってれ～ん♪」

青い光が水底の砂丘を照らす世界、水流おだやかな塩水の空間。 同じ声をした二人組がゆっくりと歩みを進めている。 おさなごが二人、肩車の体で海底を歩いている。 片方には腰あたりから帆のような翼、片方には腰のやや下あたりから赤い魚の尾が伸びている。 背の高い影はゆらゆらと左右に振れているが、横に倒れそうな気配はなく、危げながらも安定した振幅を保っている。

	ポット
	「……」

	リック
	「……」

	ポット
	「……」

	リック
	「……」

	リック
	「ねえ、ポットちゃん……」

	ポット
	「……」

	リック
	「会話がなくなるのは構わないから、題名みたいなのを叫んで、さも『今始まりましたよ～』みたいな雰囲気出してくのやめよう？ 二時間前に同じことやったよね？」

	ポット
	「ぷぇ～、わーかったよぉー」

	ポット
	「でもホントにコメントに困る場所なんだよここ～」

そう言って、ポットは首をめぐらせて辺りを見渡す。 海底探索協会にてオーク・M・シュナイダーの試験を合格したポットとリックは、現在バカンスを楽しんでいた。 いや、楽しもうと思っていた。 協会施設から歩いて半日が経った。 景色は特に変化もなく、バカンスというよりは周辺探索のような趣で、かなり退屈な時間を過ごしている。 「もしかしてバカンスって呼吸ある探索者向け？」という話題も出たが、考えても結論が出なそうだったので「そんなわけアンモナイト」という寒いダジャレで締められた。

	ポット
	「なんというかこれと言って目新しいものはないしー……、 ヘンな生き物がうじゃうじゃいるわけでもないしー……、 かと言って危険なものもないから平穏そのものだしー……、 うーん、これは余裕持って散策なんてしないで遺跡とか行った方が楽しかったかもねー……」

	ポット
	「——みたいな」

	リック
	「……今から遺跡の方角に変更する？」

リックが返事を促すように頭を上に傾ける。 ポットは「うーん」と唸りながら、ちょうど手が届きやすい場所に来たリックの頬をぐにぐにと揉んだりつねったりして弄ぶ。 リックはリックで「ほゃ～」と適当に声を出して遊んでいる。

	ポット
	「……いや、このまま散策を続けようかー。 遺跡がどっちにあるか忘れちゃったし、リックちゃんがここまで歩いてくれたのをムダにしたくないし」

	リック
	「気にしなくていいよー。 全然つかれてないし、これからテリメイン六周くらいできる」

	ポット
	「ほんとー？　もう今日中に探索終わっちゃうねー？　その前にぼくが振り落とされそー」

	ポット
	「ま、今日のところはゆっくりしようよ。 それがバカンスってもんでしょ？」

	リック
	「……」

	リック
	「そうだね。 そもそもこの旅行自体がバカンスみたいなもんだしね？」

	ポット
	「目的はあるけど」

	リック
	「目標はないからね」

	ポット
	「いや目的はなかったかな？」

	リック
	「目標はあったかもね？」

	ポット
	「計画はないんだよね」

	リック
	「計略もないんだよね」

	ポット
	「じゃーあ、ゆっくり行こう」

	リック
	「よぉーし、まったり行こう」

リックとポットは進み続ける。 まだ旅は始まったばかり。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

バカンス

青く輝く海ッ！
申し訳程度に残った陸地の真っ白い砂浜ッ！
キンキンキラキラと照りつける太陽ッ！！！

そう、ここはバカンスにピッタリ夢の世界、テリメイン！
水着の美男美女ッ！
トロピカルな熱帯魚と珊瑚礁ッ！

さあ心ゆくまで羽を伸ばし、
この穏やかなる海セルリアンを全力で堪能するのだッ！

しかし注意せよッ！　穏やかな海域とはいえ、未知なる生物が居ないとも限らないッ！
そんな障害なんぞ乗り越え、全力でバカンス出来る、
ポット ＆ リックのユートピアを今こそ探し出すのだッ！

暖かな海、緩やかな潮の流れ、色とりどりの魚たちッ！
まだまだこの海は、バカンス出来る場所がありそうだッ！

ポット ＆ リックは周辺を探索…………。

ナマコを手に入れた！

ポット ＆ リックはSSシェルボックス(低)を購入した。

ポット ＆ リックはSSシェルボックス(低)を購入した。

ポット ＆ リックはSSシェルボックス(低)を購入した。

ポット ＆ リックはTGシェルボックス(低)を購入した。

ポット ＆ リックは恐怖を購入した。

ポット ＆ リックは魔力を訓練した。
ポット ＆ リックは魔力を訓練した。
ポット ＆ リックは魔力を訓練した。
ポット ＆ リックは体力を訓練した。
ポット ＆ リックは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

い つ も の に 魔防力強化 を実行！
い つ も のの強化回数限界！
日数回分までしか強化は行えない。

ポット ＆ リックはアイテムNo.3 バタフライを私有化！

目的の決定