海は人に優しかった事がない。せいぜい、不安を掻き立てるのが関の山だ。 ──ジョセフ・コンラッド

「あんなにかわいい豚さんがボア並みに頑丈だとは思わなかった。 　正直ナイフだけじゃ歯が立たない。AKかウィンチェスターでもあればなあ」

「しかし海って奴はいいね。綺麗だし見飽きない」

「……ああ、海は初めてだけど、泳いだ事がないわけじゃない」

「放射能まみれの沼から死に物狂いで這い上がるのを「泳ぐ」に入れてよければね」

「……」

「協会でSEVAスーツを着た奴を見かけたんで声をかけてみたんだが」

「そいつは《ゾーン》を知らなかった。というか、着てたのもSEVAスーツじゃなかったな」

「で、写真家だと言うからヌード写真集でも作らないかと持ちかけたが断られた。 　そういうのはやってないらしい。小遣い稼ぎになると思ったんだけどな」

「ま、これも何かの縁だってんで、護衛を引き受ける事にした。 　一人で知らない場所にいるのも落ち着かないし、奴の気が変わってヌードを撮る気になるかもしれない」

クリスはアイテムNo0 を使用しようとしたがなかった。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。