もうなんか蹴破るのも面倒で、普通にドアを開けて入った。 　どうせ本来の標的は死んでいる。 　まして横取りした相手は此方に何ら敵意も悪意も向けてないと来た。変に力を使うのも馬鹿馬鹿しい。 　そうして、アタシは声の主の姿を見つけた。 　色白の肌に長く伸ばした銀髪。 　白を基調としたスーツに、わざとこちらを流し見る気障ったらしい目。 　うさんくさいったありゃしない。 　ちなみに獲物は男が片手を置いている机の上で、脳天から刃を突き立てられて事切れていた。 「で、何よ。ビジネスの話って。場合によっちゃ今の時点でアタシ大損なんだけど」 　あっちに敵意がなくても、こちとら下手を打てば報酬が貰えないので不機嫌にはなる。 　発言の意図を的確に汲み取ったらしく、男はちらりと死体を一瞥した後、此方に薄く笑いかけた。 「あ、どうぞどうぞ。この方はアナタが殺ったことにしていいです」 「はぁ？」 　我ながら、思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。 　てっきり別口で抹殺の依頼が出てるものだと思っていた。だとしたらそんな簡単に譲ってくれるわけもないのだけど……。 「ビジネスの話、と言ったじゃないですか。手っ取り早く済ませたいので先にやることをやっておいただけですよ。 　僕が用があるのはアナタです——《血風姫》」 「……はぁ？」 　再び間の抜けた声を上げてしまう。 　アタシの困惑に男も気づいたらしく、「はて」と首を傾げた。 「どうかしましたか？」 「いや、なんていうか、その。その二つ名何？ 　いつの間にかそんなんついてたのアタシ」 　初耳だった。自分で言うのも何だけど、今までは単にいわゆる『凄腕の傭兵』枠で仕事をもらっていたので、そんなこと気にしたこともなかった。 「自らの血を媒介に戦場を乱す刃を生む、アナタに相応しい二つ名じゃないですか。最近出来た呼び名らしいですよ」 「こっ恥ずかしいわ」 　姫とかそういうの、特に。評価されているのは嬉しいんだけど。 　と、問題はそこじゃなかった。一つ咳払いをして、気を取り直す。 「——ビジネスの話ってことは、依頼？　アンタからアタシに？」 「はい」 　男は朗らかに肯いた。 「見たトコ、抹殺とかそういう類のは依頼する必要なさそうだけど」 「僕、アナタと違って固定のクライアントがいるんで。その方の許可が貰えないと自由に動けないんです。 　今回は、アナタの標的を殺すことが此方の利益とも一致したので動くのを許してもらえたんですよ」 「ふうん……ま、いいわ。それで、依頼ってのは？」 「バカンスに行ってきてください」 「はぁ！？」 　男の言葉に対し、この日三度目の変な声が出た。 　●—— 　オークのおっさんとの訓練戦闘を終え、アタシは身体を伸ばす。 　まだここの空気には慣れきっていないみたいだ。 　……ま、もうちょっと色々やっておく必要がありそうか、これは。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

（あなた）は、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

——辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。

アレシアは周辺を探索…………。

海ブドウを手に入れた！

アレシアは渦付与を購入した。

アレシアは潜水病を購入した。

アレシアは【自SP○%以上】を購入した。

アレシアはSSシェルボックス(低)を購入した。

アレシアはSSシェルボックス(低)を購入した。

アレシアは体力を訓練した。
アレシアは体力を訓練した。
アレシアは体力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

スキルNo.1 スラッシュ をアイテムNo.4 渦付与 で改造！
スキルNo.1 スラッシュ の属性が 渦 に変化！

目的の決定