私は、自分をそれなりに不幸な人間だと思っていた。（実際には思っていた以上に不幸だったのだけれど。） 一重で、ツリ目で、低身長で、出るトコ出ない控えめな身体。 思春期を迎える頃には、こんな身体に産んだ両親を恨むまでしていた。 ただ、忌まわしい遺伝子の定めに目を瞑れば、二人は良き父母であった。二人から無償で注がれる愛情に疑いを持つことは無かったし———我が一族の家柄は中々のものであり、経済的にも豊かだったのだ。 そして私が「この家に生まれて良かった」と思えた、一番の理由。 それは婚約者の存在である。……失礼。 私の家から見れば少し格の落ちる家の次男である彼は、眉目秀麗で容姿端麗（この二つってどう違うんだっけ？）、立ち居振る舞いには知性と気品が満ち溢れ、口を開けば心臓に響くような低い声で愛を囁いてくれて———あぁクソ、いい男なのよね。そう、モテる男だった。 ……話を戻す。そんな彼と（残念なことに）清い交際を続けていた私であったが、成人を迎える誕生日にいよいよ式を挙げる……前に。かねてからの決まり事として、二人きりで婚前旅行に行くことになったのだ。 島国から大陸へと渡る豪華客船での船旅。素敵で、紳士で、素敵で、大好きな彼と、親の目も気にせずにずぅーっと一緒に居られる、夢のような時間…… はっきり言って、浮かれていた。有頂天だった。我が世の春だと思った。実際、出航初日は私の人生最良の半日と言って差支えなかったと思う。 初めてバーでお酒を飲んだのもこの時で、べろんべろんに酔っぱらった私は昏睡するみたいに眠ってしまって———目を覚ました時には、私は部屋に一人だった。 愛しの彼を求めて、フラフラになりつつも船のあちこちを探し歩いた私は、甲板の物陰についに彼と……彼と身体をまさぐり合う見知らぬ女（尻と胸の大きな美人だった）を見つけ出したのだ。 ○ァック！！！ 婚前旅行中に浮気をされるだなんて、そんな不幸があっていいのだろうか。いいわけない。趣味の悪い、安っぽい悲劇だ。冗談じゃない。 ……その後の記憶は、お酒のせいもあって曖昧で……とにかく精一杯口汚い言葉で彼らを罵って、逃げ出して、そうしたら強い衝撃が走って、船に穴が開いただの何だのと人々は騒いでたけど、私はもう勝手にしてくれって感じで、もう人生お終いだって、まあ他の人たちもそう思ってたんだろうけど。 傾く船の中（結構な角度になってた気がする）、私はどこをどう彷徨ったのか、ダンスホールに居て……そこには滑り落ちていく椅子に、机に、ピアノ……そうピアノ。立派なピアノが私に向かって来て——— それで、どうしたんだっけ。 「挟まれて死んじゃったんでしょ。」 あぁ……そうだ……。 死んだのだ。 おしまい。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

ジェリーは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

ジェリーは精神を訓練した。
ジェリーは精神を訓練した。
ジェリーは精神を訓練した。
ジェリーは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
ジェリーは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

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