俺は蒼き森から始まった。 古くからエルフが住み続けるその森での日々は、今思い返せば単調な毎日だったと思う。 陽の光と共に精霊に祈りを捧げ、森の恵みを受け取り、森を駆け巡り、夕暮れに唄をうたい、日が暮れていくと共に目を閉じる。 毎日毎日、繰り返し、繰り返し。 大人になれば、森を見回る当番になればまだ違ったのかもしれない。 けれど、幼かった俺はそんな日々を、退屈だとも思わずただ受け入れていた。 始まりはなんだったか。 変わり映えのしない日々を停滞する森の中で過ごしている内に、時代は森の外で移ろい流れていた。 そして、時代の足音は森の中にもやってこようとしていたのだ。 ある時、外から人間達がやってきた。害意のある相手ではなかった。 長とその人間達はひと月ほど話を重ねた。 後から聞いた話で、この人間達はいろんな土地を行商して回っている者達で、今まで人を寄せ付けなかったこの森の噂を聞いてわざわざやってきた酔狂な集団だったと知った。 ともかく、短い、あるいは長い話し合いの結果、定められた日数を彼らは森で過ごせる事になったのだ。 単調な毎日に、青緑に塗り潰された日々に、眩い光が差し込んだ。 行商人達の話を聞いた俺は、あの時の事をそう振り返った。 彼らの売るものはどれもこれも初めて見るものだった。 しかし、俺が一番興味を惹かれたのは売り物ではなく、彼らの口から紡ぎ出される物語だった。 昼夜問わず光の絶えない街。 炎を吹き出す山。 年中氷に閉ざされた大地。 金色の地平線を作る広大な麦畑。 そして、どこまでも果てしなく続く青い碧い海。 「海」という場所の話は、行商人達から聞く話の中で一番俺が惹かれたものだった。 森には小川や池はあった。だけど、そこは水精達の場所であり、用もなく行く事はエルフと精霊が長い間守ってきた掟で禁じられていた。 見る度に色も姿も変わるという、この森を簡単に覆い尽くせるほどの広さの水たまりである「海」というものが。俺には想像もできなかったのだ。 俺が興味を示した事を悟った行商人は、行商馬車の中からあるものを探し出してきてくれた。 それは、海の絵が至る所に描かれた、海にまつわる物語だった。 あの頃の俺でも読めるような簡単な人の言葉で書かれたその物語は、心躍るものだった。 海を主とした様々な場所で冒険し、宝物を探し出す話。 未知なる場所を冒険し、きらきらと輝く宝石を手にする。 それは、俺にとってとても素晴らしいものに思えたのだ。 ——————住み慣れた森を出て、こんな冒険をしてみたいと思った程に。

「なんて事があったなァ。懐かしい。」

試験を待ちながら、自然と集まって話に花を咲かせている周囲から少し離れて物思いに耽る。 思えば随分とあの場所を離れたものだ。 しかも、今回挑む場所はこの《テリメイン》である。 これまで何度か海に潜ってきたものの、完全な未開の地域へと潜るのは初めてだ。 あの時憧れた物語の世界に、今、自分も立っている気がする。

「早く、試験とやらも始まんねぇかな。」

そして、早く未開の海へと旅立ってみたい。 今回は最初からしっかりと組む相手だっているのだ。 今までも何度か宝探しを一緒に、もしくは競った二人……一匹と一機？が。 逸る気持ちを抑えて、大きく息を吸って、吐いて。 最初の試練は、もうすぐだ。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

ラニは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

ラニはTGシェルボックス(低)を購入した。

ラニは精神を訓練した。
ラニは精神を訓練した。
ラニは精神を訓練した。
ラニは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
ラニは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

目的の決定