夏海
	「で、テリメインにやって来たわけだけど 」

	ピラ
	「やって来たねえ 」

	夏海
	「強そうな人がいっぱいいるねー 」

	ピラ
	「そうだね 」

	夏海
	「海賊もいるって話だし 」

	ピラ
	「物騒だねえ 」

	夏海
	「でさ、ピラ。ここに来る前に2週間ほど特訓したじゃない？ 」

	ピラ
	「うん 」

	夏海
	「装具の使い方は分かったけど、肝心の魔法を教えて貰ってないよ 」

	ピラ
	「あー、そうだったね 」

	夏海
	「それを教えて貰わないと、ここで探索なんてできないじゃない。ね、どんな魔法が使えるの？ 」

	ピラ
	「そうだった、そうだった。それを教えないといけないね！いいかい、よく聞き給えよ！ 」

	夏海
	「（どきどき） 」

	ピラ
	「まずは『水面ダッシュ』！水面に向かって超高速で駆け上がり、そして呼吸して戻ってくる魔法だよ！ 」

	夏海
	「…は？ 」

	ピラ
	「コリドラス、つまりナマズの仲間は肺呼吸もするからたまに水面に急上昇して呼吸する、いわゆる『水面ダッシュ』するわけだけど、魔法少女も同じように、水圧を気にせず瞬時に水面に上昇することができるんだよ！そのための魔法さ！ 」

	ピラ
	「それから次に『髭センサー』！ほら、ステッキに長細い髭みたいなのが出てるでしょ？それに魔力を流すことで、僕たちが求めているエナジーがどこにあるかある程度当たりがつけられるんだ！ 」

	ピラ
	「どうだい？すごいでしょ！ 」

	夏海
	「え、あの…ほ、他には？こ、こうさ、ずがーんと威力がある攻撃魔法なんかは…？ 」

	ピラ
	「そんなもの、ウチにはないよ… 」

	夏海
	「え、ええー！？ 」

	夏海
	「じゃ、じゃあなにか？魔法少女とか言ってるけど、エナジー探索魔法以外何もできないわけ！？ 」

	ピラ
	「当たり前じゃないか。僕の目的はエナジーを見つけることだよ？コリドラスな魔法少女に攻撃魔法なんて使えるわけないでしょ 」

	夏海
	「そんなこと言って！こんな危険な場所で戦えない魔法少女なんて意味ないじゃない！ 」

	ピラ
	「君は温厚で臆病なコリドラスに何を期待してるんだ 」

	夏海
	「あのねえ…じゃあ、もっとマシな装具は無かったの？それこそ、君みたいなピラニアな魔法装具だったら戦えたんじゃないの？ 」

	ピラ
	「仕方ないでしょ！僕に割り当てられた装具がこれだったんだから！ 」

	夏海
	「え？なに？要するに君って『外れ』だったってこと？ 」

カチーン！

	ピラ
	「お？何か文句あんの？やんのかコラ？相手してやんよこのちんちくりん！ 」

	夏海
	「…（ピキピキッ） 」

	ピラ
	「あっ、ちょ、ごめん嘘！ちょっと怒ってみただけでいや本当は全然怒ってなくて、いやだから杖を構えないでそれ本当痛いんだってやめてやめてやめていだああああああああああっ！！ 」

	夏海
	「…つまり、この世界のスキルストーンていうのを使えば、私も問題なく魔法が使えるようになるってことだね？ 」

	ピラ
	「そ、そうだよ。スキルストーンはどうやら君の装具と相性がいいみたいだから、いろいろ試してみるといいと思うよ… 」

	ピラ
	「ってぇ、それよりここまで殴らなくてもいいじゃないか！魚は君みたいなガサツな人間と違ってデリケートなんだからね！もっと優しく扱って欲しいよ！ 」

	夏海
	「そうだね、私ってガサツだから。もう一発殴りそう 」

	ピラ
	「かんべんしてください 」

	夏海
	「そうそう、最初に貰ったのがそのストーンだよね？今日はちょうどテストだし、試してみようか 」

	夏海
	「あ、そういえばボトルシップで不特定な誰かに手紙を送る習慣があるみたいだよ。私も試してみようと思うんだ 」

	ピラ
	「ふーん。好きにしたらいいんじゃないの？ 」

	夏海
	「もう、ノリ悪いなあ… 」

	夏海
	「とりあえず、なんて書いておこうかな…えーっと… 」

	夏海
	「あなたはそこにいますか？ 」

ガバッ！ビリビリビリーッ！

	夏海
	「あっ！ちょ、ちょっと、なにするんだよぅ！？ 」

	ピラ
	「夏海…それ、アカンやつや… 」

	夏海
	「はぁ？何をバカなこと言ってるんだよ…もう。邪魔しないでよね。えーっと… 」

	夏海
	「こちら、相川夏海。生きている人、いますか？ 」

ガバッ！ビリビリビリーッ！

	夏海
	「こ、コラーッ！君はさっきから、どうして私の邪魔するの！？ 」

	ピラ
	「君こそなんでこういうしょーもない文ばっか書くんだよ！もっとこう、生きる希望に満ちた文章書きなよ！ 」

	夏海
	「ええ？これのどこが鬱な文章なの？ 」

	ピラ
	「はぁ…もういいよ。とにかく、まともな文章書いて流してよね。僕まで変な目で見られたらたまったものじゃない 」

	夏海
	「…？…？」

《海底探索協会》

《海底探索協会》

夏海は周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

夏海は護符を購入した。

夏海はスイムアップを購入した。

夏海は体力を訓練した。
夏海は体力を訓練した。
夏海は魔力を訓練した。

目的の決定