『三宝を奉る』 厳かな声が薄暗い部屋へ響いた。その声の先には供台に並べられた煌煌と紅を示す宝玉、香木、竜の心臓。

	？？？
	「『彼方に在る者よ、我は温情を乞う者なり。一に誠意を。我が血で染め上げし宝玉を捧ぐ』 」

声は淡々と紡がれる。さらに二節が続き、その声に誘われるかのように、グニャリ、と空間にねじれが生まれた。その先に、どこまでも暗い漆黒の闇が見え隠れする。されど声は止まらない。

	？？？
	「『三にて我が力を示す。我が討ち滅ぼしたる竜の心臓を捧ぐ。この供に応じ彼の者に架せし契約をはっ…クシュン！！！！』 」

その厳かな声に、不意になんとも間抜けな音が混ざった。続いて。 『ガタンッ』『グニャッ』『ガシャン』 台の倒れる音。肉のつぶれる音。硝子が割れるかのような音。 どれもこの場に在ってはいけない不協和音である。

	？？？
	「…いやいや…タンマ… 」

先ほどまでの声の主がその目を閉ざし、首を振る。 その顔には『ちょっと現実を認めたくない…』という文字が張り付いているかのような絶望が浮かんでいる。

その様子にも、情けなどない、とでも言うかのように。 先ほどの詠唱で生まれたねじれが荒ぶり大きな穴となり、うねりをあげた。

	？？？
	「…これは…いけませんね… 」

その穴は黒々とした闇を纏いその場にいた二人を飲み込み獣の咆哮のような音をあげ、飲み尽くした後に、徐々に収束していった。

そしてそこにはもう、何も残っていない。静寂のみがその場を支配していた…

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ざーん…ざざーーーーん…

寄せては返す波の音。

	？？？
	「……… 」

見渡す限りの海。遠くにぼんやりと遺跡のようなものも見える。

	？？？
	「只今戻りました、エッダ 」

	エッダ
	「ご苦労…何か分かったか…？…って、えっ？イメチェン？ 」

声に視線を向けると先ほどより軽装になった男の姿が。

	？？？
	「やかましい。スーツでは探索の邪魔になるので着替えました。端的に説明しますよ。よぅく聞くように。 」

	エッダ
	「（えっ、今やかましいって言った…？） 」

褐色の男は、悲しげな顔を浮かべる男を無視し続ける。

	？？？
	「ここは海と遺跡のみの世界。独自の魔力で満ちているようで、容易く元の世界の魔法の類は使えないようです。 」

	エッダ
	「えっ… 」

	？？？
	「未開の地のようですが、幸いにもこの地を調査する探索者を募集していたので、このエンヴィアが志願してきました。調査のためのいくらかの金銭もいただいたので、今すぐに飢え死ぬ事は無いでしょう。 」

	エッダ
	「ほう。 」

	エンヴィア
	「あの召喚の儀での無礼…二人とも命を奪われていてもおかしくない状況でしたが、僅かな温情でしょうか、命は無事でした。しかしここは、我々がいた世界とは異なる世界、異なる次元。魔力の成り立ちも構成も、全く異なります。その上で聞きますが、元の世界に戻る事を、あなたは望みますか？ 」

	エッダ
	「あ…あたりまえだろ。 」

	エンヴィア
	「あなたは今は無力です。されどこの世界の理の元、元の世界へ渡る術を得なければなりません。今まで積み重ねてきた修練も意味を失った今、再び１から石を積み上げる覚悟がありますか？ 」

	エッダ
	「……もちろん。もともとは私の不始末だ。 」

	エンヴィア
	「…よろしい。ではまずは… 」

褐色の男は一度口を噤むと、ふふ、と悪戯っぽく笑い、告げた。

	エンヴィア
	「まずはこの島に小屋でも立てておいてください。 」

	エッダ
	「小屋。 」

	エンヴィア
	「ええ。探索は私が行います。この世界に満ちている魔力の解読・取得も私が行います。その後ゆるりと貴方に伝授しましょう。貴方にはまず体力と忍耐力が必要だ。なので拠点づくりを。 」

	エッダ
	「体力…忍耐力… 」

	エンヴィア
	「そもそもですね、高等な召喚の儀、万全の準備、それをくしゃみ。くしゃみで無駄にするとは何事か。 」

	エッダ
	「……返す言葉もございません…いやでも…それなら探索を僕が… 」

	エンヴィア
	「だまりなさい。自分のうっかりを思い出しなさい。うっかりで溺死するおつもりか。 」

	エッダ
	「…立派な小屋を建てます… 」

	エンヴィア
	「よろしい。それでは、私は実力テストとやらに行ってきますので。 」

そう言い残し去る褐色の青年を、恨めし気な視線でその主は見送った。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

エンヴィアは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

エンヴィアはSSシェルボックス(低)を購入した。

エンヴィアは護符を購入した。

エンヴィアはTGシェルボックス(低)を購入した。

エンヴィアは魔力を訓練した。
エンヴィアは魔力を訓練した。
エンヴィアは魔力を訓練した。
エンヴィアは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
エンヴィアは器用を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

目的の決定