余歴四千四百年　10月29日 海底探索協会へ訪問。ロザリアネットという協会職員の案内で手続きを終える。 これにて余も晴れてテリメインの探索者として活動が始められる。 もっとも協会の手による探索者は、今日この時点では活動している者は一人としていないはずだが、仮に存在したとすればテリメインの慮外者として消える定めにあるだろう。 テリメインの世界法則は非常に明確にして曖昧だ。 管理者による被造物世界であり、禁則が強く、横並びに公正だ。 絶対的に優れた存在であっても、逆に極めて劣った存在であっても、同一の土俵に立つことを強いられる。 そして足を踏み外したものには寛容ではない。 この法則性はかつて旅した別の世界を思い出させる。 神であれ人であれ虫であれ、振るえる力に誤差しか生まれぬのだから。 海洋探査というからせっかく艦隊をわざわざ用意したと言うのに、艦の兵装を使用しても火力に大げさな制限がかかり、他の探索者と変わらぬ威力にしかならないらしい。 ロザリアネット嬢からは遠回しに無用の長物と評される始末。 余の下調べ不足の所為ではあるが、それを差し引いてもこの人物、建前の慇懃さの陰に毒が見え隠れしている。 彼女の好物だというテリメインシラスには興味深いし、それの食べ方や産地についての会話は楽しいひと時ではあったが、頻繁に合わせたい顔にはならなさそうだ。 それに旅立ってしまえばあの強固に張り付いた笑顔で「ロザりん」と呼ぶことを暗にせがまれることもなくなるだろう。 協会の職員ではもう一人だけ愉快な人物がいた。 名はシュナイダー。正式な協会職員であり何を教えているのかは知らぬが教官らしい。 豚のような外見をしているが、見た目通りの人物なのか、ロザリアネットからは愚鈍と思われているようだが、手続きの最後に試験を受けろと言い出した。 養豚場の畜生にも勝る体格で通路を塞ぐに飽き足らず、余の門出さえも阻むのかと思いきや、ロザリアネット曰く、シュナイダーは探索者全員が最低限の実力を備えているか確認する唯一の担当者だそうだ。 なるほど、そのための活動力の源を蓄えた結果の体格か。総勢1500人超の戦闘試験を単独で担っているのだから、馬車馬のごとく働くことを想定してのことだろう。 馬ではなく豚ではあるが。 それはともかく担当者を増やせばいいだろうに。 やはり愚鈍なのだろうか。 何はともあれ試験をこなさねばならぬ。神らしく肩慣らしと言いたいところだが、腕試しと言わざるをえないのが悲しいところだが。 いち探索者であるからにはやむを得ぬが、この世界を隅々まで知るための唯一の手段、むざむざ失うわけにはいかぬ。 まずはシュナイダーを手堅く料理し、彼の好物だというテリメイン水牛の生息地を聞き出そうと思う。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

ヴァラコヤール提督は周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

ヴァラコヤール提督はTGシェルボックス(低)を購入した。

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ヴァラコヤール提督は精神を訓練した。
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ヴァラコヤール提督は精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
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