夢を見ていた。 それはそう、幼い頃からずっと、繰り返し見ていた悪夢。 ……深く、深くに沈んでいく。 口から零れる泡、次第に息苦しくなってきて、 冷たい、暗い、怖い。 恐怖で目を閉じてしまいそうになるのを堪えて、頭上を見上げる。 ……あの光の先に戻れれば、苦しくなくなるのに、怖くないのに…… もう、無理だ。 肺に残っていた最後の酸素を吐き出し、目を閉じ…… 「！！！！！」 ズキン、と左足の付け根の辺りに鋭い痛みを感じて、意識が覚醒し……あっと言う間に現実に引き戻される。 ……そうだ、私は先生に課題を言い渡されて、その為の世界移動で眠る事になって……。 そうして眠っている間に、あの悪夢を見ていたんだ。 これまでの事をぼんやりと思い出しながら、ふっと視線を左足に移せば、スカートの中から見慣れた白蛇がスルリと出て来る。 「……セヴィー。起こしてくれて、ありがとうね？」 いつも迷惑を掛けてしまって申し訳ないけど。 呟くようにそう言い足しながら、数年来の付き合いとなった彼の頭をそっと撫でる。 自分よりほんのり冷たい体温と、鱗独特の滑らかさ。 撫でている内に、バクバクと酷い音を立てていた心臓も落ち着いてきた。 「……ここが、テリメイン……」 そうして辺りを見回すと、そこは海に囲まれた小さな孤島だった。 天界の一角にあった学校とは、全く違う空気だ。 「アテナ先生、私が水が苦手なの知ってるから……だから、わざわざこの島に降ろしてくれたのかな？」 心を落ち着けて神眼を発動させれば、この小さな島の周りは海ばかりである事が分かった。 これだけ陸地の数が少ないのなら、そのまま海にドボン！と突っ込んだ方が楽なのはわかっているつもりだ。 わざわざそれを避けたと言う事は、それなりの理由がある筈だけど…… 「……ん？ あれ……この島、私が今居る場所の丁度反対側に建物があるね？」 まずはあの建物に向かえ、と言う事なのだろうか。 不思議そうに首を傾げるセヴィーに腕へと移動して貰いながら、左足の付け根に治癒の術をかけて立ち上がる。 『神となる為には、様々な事象をこなせなければならない』 『お前のそれは、後々大きな弱点となってしまう恐れがある』 『それは、素質があるだけに非常に勿体無い事だと、私は思うのだ』 分かっている、分かっていた。 だからこそ、私は敢えてこの課題を……いや、実習を受ける事にしたのだ。 【海に覆われた世界。その地へ赴き、その世界特有の謎や真理に触れる事】 それが、今回の表向きの実習内容だ。 そして、個人に課せられた課題こそが真の目的。 【どのような方法を使っても構わない。水への恐怖心を少しでも払拭する事】 小さな時に溺れた事を引き摺り過ぎだ、と言う事は薄々理解していた。 酷い時は水が肩まできただけで身が固くなり、息が出来なかった程だ。 これでも、その時より多少は恐怖心を拭えている……と思いたい。 「……ねぇ、セヴィー？」 ちらり、と首元まで登ってきていた相棒を見ながら声を掛ける。 『なに？』と言いたげに視線を合わせてくれる彼の胴を撫でながら、頬を寄せる。 「……海底神殿に行く時とかは、傍に居てね？」 セヴィーは『何を今更』とでも言いたげな様子で頬擦りを返し、軽く口付けを交わしてくれた。 ……彼が一緒なら、きっと私は大丈夫。 あの学校に入学した時に約束した事を思い出しながら、私は建物の方へと向かっていった。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

エリザは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

エリザはSSシェルボックス(低)を購入した。

エリザはTGシェルボックス(低)を購入した。

エリザは魔力を訓練した。
エリザは魔力を訓練した。
エリザは精神を訓練した。
エリザは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
エリザは器用を訓練した。

目的の決定