海風のこうひゅるひゅると吹いてくる様子は、初めてなのにどうにも既視感がある。   雑種の子どもはこぶし大のサンゴを文鎮代わりに真白い紙に置きながら、そう思った。   吹きすさぶわけでもないが、どうにもこちらのリズムを崩してくる様はあまりにも自由だし、フードを被るのを諦めさせるほどに、こちらの髪を乱暴に搔きまわしてくのは、あんまりにも身勝手だ。

「あ、そっか。」

デシャヴの正体に思い当たる。 上司だ。上司サマだ。今まさに書こうとしている手紙が届く先にいる人だ。   なら、諦めるしかない。なんせあのフリーダムで世界の中心にいるのは私と言って(いや、言葉にして言っていたことはたぶん無いが、行動と態度の全てが声高にそう言っている！)はばからぬ、我が愛しのクソ上司サマに似ているのだ。   そんなの、諦めるしかない。   いやむしろ、こちらの都合も考えず、 3日後にここ行ってきてね！ほら、長期休暇だよ！ちょーーーっと技術研修もしてもらうけど！！   とか言ってこないだけマシだ。ずっとマシだ。   ため息をついてみても、また海風が息をひゅいとさらっていってしまうばかりだ。   頭の中 ひとりで愚痴を言っていてもどうしようもない。   今は片付けるべきことからやっていくしかない。   そう思い、雑種の子どもは紙にペンを走らせ始めた。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 前略 相変わらず手早い連絡ですね。部下思いの上司を得て嬉しいです。 が、最高速便でのハト便でどれだけお金を飛ばしたかを考えると、部下としてお腹痛いです。次回からはよっぽどの急ぎでなければ、通常便でお願いします。 さてこちらは、ハト便の着く2日前に現地に着きました。眩しいほどの海の青、観光地としても人を集めているらしく、賑やかなところです。 現地組織である海底探索協会も、よくある同僚同士のちょっとした不仲は見えるものの、概ね健全な組織のようで、少しの間でも身を寄せる所としては上出来だと思いました。 私的にも数人、知人ができました。なんともまあ種族も出身もばらばらなので、いろいろ勉強になる話を聞けそうです。 学者先生ともつながりができたのは嬉しかったです。 海洋学者だそうなので、珍しい生き物でもいたら、見てもらおうかなとか思っているんですけど、そういう時ってどうお願いするべきなんでしょうかね。やっぱり心ばかりを包むべきなのでしょうか。 そうそう魚といえば、せっかくの海なんで、いっぱい食べてやろうかな、と。 身長も伸びるらしいので。 上司サマも、肉ばっかり食べてないで、たまには魚も食べてくださいよ？ というか、僕のいない間もちゃんと三食食べてくださいよ？ P.S 珊瑚の髪飾りっていうと、去年、南から贈られたやつですよね？それなら、二階の方の衣装部屋のクローゼット入って左手前のタンスの右列上から二番目の赤いケースの中だと思います。そこになかったら後はもう僕は知りません。                                                                  あなたの部下 ペジカ・オルレットより ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ペンを置く。 誤字脱字が無いかを確認する。   よし、大丈夫だ。それにしても自分はなんで手紙の中でまで上司の心配をしているんだか。金遣いが荒くて、いい歳して食べ物の好き嫌いをして、自分の持ち物の管理までこっちに頼ってきて、、

「、、そんでもきらいになれないあたり、」

僕も大概だな。 そうひとりごちて、あいも変わらず勝手気儘に吹く海風に頬をくすぐられ、雑種の子どもは小さく笑った。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

ペジカは周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

ペジカはゴーグルを購入した。

ペジカはTGシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはTGシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはSSシェルボックス(低)を購入した。

ペジカは敏捷を訓練した。
ペジカは敏捷を訓練した。
ペジカは敏捷を訓練した。
ペジカは体力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
ペジカは器用を訓練した。

汎用短剣 に 命中力強化 を実行！
汎用短剣 の 物理命中、魔導命中 を 2回強化した。

目的の決定