久露
	「海だーーー！！ 」

抜けるように青い空、陽の光を浴びて輝く白い雲と水平線。 まさに穏やかな夏の海の光景と潮風の香りが、扉を開けばそこにあった。

	空也
	「………… 」

一直線に波打ち際を目指し駆けていく相方の猫娘を見送り、しばし立ち尽くす。 じりじりと照りつける眩い陽光。

	風璃
	「そういえばこういう世界間移動って初めてだったかしら？ 」

この旅行の主催の声に振り返れば、今しがた通ってきた扉の向こうには、 先程までいたのと変わらない小綺麗な店内の光景が広がっている。

	空也
	「……ええ、てっきりいつもみたいに魔術的なゲートでも開くのかと 」

	グラス
	「僕もこういうのは初めてかな。世界の壁のゆるいところを斬って通ったことはあるけど…… 」

	風璃
	「今回は分割世界代表として正式に許可証を貰っているもの。 　無理にこじ開けなくても、世界側から勝手に繋げてくれてるから楽できていいわー 」

彼女がすっ、と手を広げるとそこに淡い光でできたチケットが現れる。 そこに書かれた文字は…… 『風郷 風璃 とそれが許可するものの、分割世界 テリメイン への渡航を許可する』。

	トラム
	「手続きしてるのは私ですけどね……ええと、この扉は仮ですから一旦消しますよ。 　店に繋ぐときはいつも通り、現地の好きな扉を利用して下さい 」

	風璃
	「ええ、いつもありがとうね。 　……さて、それじゃ行きましょ？久露ちゃんが先に行っちゃったし 」

	アルノット
	「……ん。 」

主催者———風璃に先導され、一行は砂浜へと赴く……

	風璃
	「さて、改めまして！ 　一般人のふたりに今回の旅行について説明するわねー 」

	空也
	「そういえばちゃんと説明されてませんでしたね 」

	グラス
	「えへへ、僕も一般人かー 」

砂浜にレジャーシートとクーラーボックスを置き、一息つく。 早速海へと飛び込んでいった猫娘を尻目に、風璃が説明を始めた。

	風璃
	「まず、この世界は海と遺跡だらけの分割世界『テリメイン』ね。 　名目上の目的は未開の地域の調査になっているわ 」

	空也
	「名目上って言い切りましたね 」

	風璃
	「ええ、楽しみに来ただけだもの 」

	空也
	「言い切りましたね 」

	風璃
	「それで、その名目上の目的である未開の地域の調査は私ひとりで受け持つから問題ないわ。 　空也ちゃんたちはのんびり夏を満喫してちょうだいな 」

	グラス
	「はーい 」

	空也
	「……ところで調査ってどれくらいかかるんです？ 」

	風璃
	「どれくらになるかしらねえ……実はそれがさっぱりわからないのよ。 　多分何ヶ月かはかかると思うけど 」

	空也
	「満喫するための夏が終わりませんかそれ？ 」

	風璃
	「世界ごとに時間の進み方は違うのよ。浦島効果ね。 　今回の場合、しばらく滞在してもおおよそ元の時間に戻れるはずよ 」

	空也
	「……残ってる宿題持ってくればよかった 」

	グラス
	「おとーさん、一日で日焼けできるね 」

	空也
	「日焼けはちょっと…… 」

	風璃
	「食事とか消耗品、寝床あたりはトラムに一任してあるからトラムに訊いてね。 　大体の出費は私が持つから気にしないでちょうだいな 」

	トラム
	「丸投げされました。……まあ、幸いこのあたりは人も多いのでなんとかなりましたが 」

	空也
	「そもそも日本円使えるんですか？ 」

	風璃
	「使えないわ。はい、これお小遣い 」

	空也
	「……大切に使います 」

	風璃
	「それから、もうひとつ。 　あんまり沖や海中に行くと元の世界の魔術とかが使えなくなるのと——— 」

	久露
	「みぎゃあああああああ！！ 」

ずばっしゃん！！ と、大きな水柱が上がる。 見れば、2mはあろうかという巨大な魚のヒレ撃ちに久露が空高くふっとばされていた。

	アルノット
	「……ファイアボール。 」

	久露
	「んにゃあああああああああ！！？ 」

突如、火球が海面に着弾し派手に爆発を起こす。 その爆発はふっとばされた久露の落下速度を職人芸めいて殺し無事に着水させ、 それと同時に久露を襲った巨大な魚を沖へと追い返した。 火球の飛んできた方を見れば、棒立ちで木の枝を杖のようにかざす長身痩躯の女性。

	風璃
	「———こういうすごい生き物も多いみたいだから気をつけてねー？ 」

	アルノット
	「……護衛？ 」

	風璃
	「そう、アルノーちゃんは護衛役。お願いね？ 」

	アルノット
	「……私、海は入れないんだけど。植物的に。塩が。 」

	風璃
	「あらあら、そこまで考えてなかったわ？ 　……まあ、沖に出なければ大丈夫じゃないかしら 」

	空也
	「……気をつけます 」

かくして、彼ら彼女らの長くて短いバカンス生活が始まったのであった。

《海底探索協会》

《海底探索協会》

風璃は周辺を探索…………。

今回はアイテムを見つけることができなかった！

風璃はSSシェルボックス(低)を購入した。

風璃はTGシェルボックス(低)を購入した。

風璃は魔攻を購入した。

風璃は軽盾を購入した。

風璃は魔力を訓練した。
風璃は魔力を訓練した。
風璃は魔力を訓練した。
風璃は魔力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
風璃は魔力を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

エコースフィア に 魔導力強化 を実行！
エコースフィア の 魔導攻撃力 を 2回強化した。

エコースフィア に 強化の初期化 を実行！
エコースフィアの強化回数限界！
日数回分までしか強化は行えない。

エコースフィア に 魔導力強化 を実行！
エコースフィアの強化回数限界！
日数回分までしか強化は行えない。

目的の決定