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比較的、浅い水深にある、住居遺跡。 其処に有るのは、最上階らしき部位のみで、砂に埋まった階下がどうなっているのかは定かでない。 家財らしい家財は何も無く、窓と扉も既に朽ち、仕切りの役目は果たせていないが。 石造りの壁と屋根だけは、綺麗に残っている。
部屋が幾つ有るかは判らない。 見えている範囲には、片手で数える程だが。 砂に埋もれた階段があることを鑑みるに、使える部屋はもっと沢山あるのかも知れない。 ……掘り出す手間は掛かるが。
とまれ、魔力探知なり、音波感知なりの結果。 特異なものが階下に埋もれている気配は、無かったらしい。
出入りを咎める者が居るでなく。 特に何が起きるわけでもない。 寝床にするもよし。 日除けにするもよし。
ただ、穏やかな海底にひっそりと佇む。 | | |