――辺りは穏やかな潮の流れと、ちらほら入る光で暖かい。
まだまだ遺跡は先へ続いている……。
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――今日も朽ちた遺跡を調べていると、
海水の温度が上昇している場所を発見した。
もしかすると、灼熱の海『レッドバロン』が近いのだろうか……?
辺りを探索していると、周囲の海水温がみるみる上昇していく。
温かいというレベルを超え、熱い。
恐らくスキルストーンを所持していなければ、
生煮えになってしまうのではないかというくらいには海水温が上昇していた。
突然の、海水温の異常な上昇に戸惑いを覚えるかもしれない。
そんな源五郎の前に突然、遺跡の壁だと思っていた『それ』が動き出し、燃え上がった。
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炎の巨霊 イフリート |
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本来ならば熱く燃え上がるレッドバロンに生息している精霊の一種。 セルリアンに迷い込んだのか、遊びに来たのか遺跡の一部になっていた。 通りがかる探索者たちに襲い掛かる、好戦的な性格だが話は出来るらしい。 好きな食べ物はレッドバロンに群生する唐辛子。まるかじり。 |
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イフリート |
「ここは炎魔の領域への門《アッシュフォードの門》。 お前たちのような侵入者が通って良い場所ではない……」 |
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イフリート |
「――だが、丁度いい。俺も余りに退屈で退屈で、大退屈していたところだ お前の様子を見るに、ここから先に行きたいのだろう?」 |
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イフリート |
「特別だ。俺を倒したならば、ここを通って良いぞ」 |
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イフリート |
「どちらにせよ俺を倒せなければ、この先ではやっていけないからな!」 |
周囲が一段と明るくなるほどにイフリートは燃え、襲い掛かってきた!