Seven Seas

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C721 腹 パ ン
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青春を腹パンで過ごそうよ!  
 
    (  ´・ω) 
    γ/  γ⌒ヽ (´;ω;`)  
    / |   、  イ(⌒    ⌒ヽ
    .l |    l   } )ヽ 、_、_, \ \
    {  |    l、 ´⌒ヽ-'巛(  / /
    .\ |    T ''' ――‐‐'^ (、_ノ
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コミュニティメッセージ
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PNo.721 もちろう
からのメッセージ:
人魔、相争い数百年-。
長きに渡る戦がもたらす心身の疲れは、どちらからともなく武器を捨て不戦の協定をかわすのに十分な理由であった。
だが、互いへの怒りと憎しみ、わだかまりを捨てきれぬ者たちもいる。
不戦の協定よりおよそ百年、人魔共生を受け入れられぬ者たちの手により世は再び戦火に包まれた。

後に「テリメイン人魔の役」と歴史書に記される争いが
始まり十余年-。
先代将軍・加納摂津守黴雪。
(かのうせっつのかみばいせつ)
ある夜、黴雪は寝室にて何者かの襲撃を受け暗殺された。
「ただちに暗殺者を追い、誅すべし!」
密命を帯びた腹パンタローネは一人、下弦の月照らす森の中を走った。
なおこのあたりはノリで書いたのでぜんぜん覚えなくていい
Icon 腹パンタローネ
「驚動と懐旧の念が今この胸を満たしておりまする。
かような場所でティマンドラ様と見えるとは思いもよりませなんだ」
Icon ティマンドラ
「そうね、懐かしいのはわたくしも同じ。
でもどこかであなたが追ってくるような-、
そんな予感めいたものがわたくしにはありました」
Icon 腹パンタローネ
「変わりませぬなあ。その不思議のまなざしとお美しさはあの頃のままじゃ」
Icon ティマンドラ
「あなたは大きくなりましたね、腹パンタローネ。「姉上様、姉上様」とわたくしのあとをついて回っていたころと見違えるよう」
Icon 腹パンタローネ
「ははは、老いたとお言いくだされ。天魔の皆様におかれましては十余年、わずかばかりの時間やもしれませぬが」
Icon 腹パンタローネ
「わしら人の身にしては、大きゅうなったと申すにはいささか長過ぎる年月でありますゆえ」
不戦の協定をより実効的なものにするため、人間からは妖魔へ、妖魔からは人間へ、
それぞれ地位ある者の子を相手側に養子として出す習わしがあった。
要は人質であり、妖魔帝の姪にあたるティマンドラが時の将軍黴雪に養子に出されたのがおよそ二十余年前のこと。
生まれて間もない腹パンタローネがレンタルビデオ農家の返却ポストに捨てられているのを、ティマンドラが見つけ連れ帰ったのがそれからおよそ1年後のことであった。
人格者でもあった黴雪は腹パンタローネを屋敷に住まわせティマンドラ付きの使用人として用いた。
腹パンタローネもまた、黴雪を父、ティマンドラを姉のように慕いよく仕えた。
やがて再び戦が始まり、この二人の主従、姉弟の関係も終わりを迎えることになる。
Icon ティマンドラ
「そう…。わたくしは今でもあなたを弟のように思っておりますよ。今ひとたび、あの頃のようにわたくしの胸に飛び込んできても構いませぬよ」
Icon 腹パンタローネ
「まことありがたきお言葉。しかし年月を経たればこそ、多少の分別はわきまえましたゆえ。
今も変わらず姉のようにお慕いしておるこの胸中を、お見せできるものならぜひご覧いただきたいものですが、本来わしのような下人が口を利くも畏れ多いご身分にあられますれば」
Icon 腹パンタローネ
「また、下男としての分別わきまえたればこそ」
昔を懐かしむ声から一転、腹パンタローネの声は冷たいものに変わった。
Icon 腹パンタローネ
「わが主、黴雪様を手にかけた不届き者を誅罰せねばなりませぬ」
Icon ティマンドラ
「下手人がわたくしであると?」
Icon 腹パンタローネ
「おそれながら」
Icon ティマンドラ
「違います、と言ったら信じてくれますか?
わたくしは今日、数年ぶりにこちらに参ったのです」
Icon 腹パンタローネ
「お戯れはおよしくだされ。
ティマンドラ様御自らGERO(古代テリメイン語で自白の意)して頂きたかった…
あなたが黴雪様の屋敷に押し入った確かな証拠があるのです。
黴雪様とともに賊の手にかけられていた見張りの兵が、死に際この香を炊いておりましてな」
ここで腹パンタローネが懐中より取り出した香について彼自身の口から説明を待たねばなるまい!
Icon 腹パンタローネ
「これなる香は決万香と呼ばれるもの。
炊かれるときは必ず辺りが血に満たされるため血満香と書くという説もありますが…。
この香が炊かれるとき、それは敵に襲われ己の死を覚悟したものが決死の思いで味方に「敵はここじゃ」と知らせるとき!
ただでは死なぬという千の怒りと万の決意を込めて炊かれる、ゆえに決万香。
その臭いは容易には落ちませぬ。
つまりわしは」
Icon ティマンドラ
「わたくしの決万香の臭いをたどってきた、と?」
いい淀む腹パンタローネの後をティマンドラが継いだ。
Icon 腹パンタローネ
「・・・左様にございます。
あなた様の強烈な決万香の臭いなくば、いかにしてここまで追いすがれましょうや」
余談ではあるが、この香は蚊取り線香に用いられる虫除菊の仲間、「アツナケ菊」を原料としている。
現在ではほとんど見かけないこの菊を摘むのは当時、亭主の留守を守る妻の役目であり、外敵に菊のある場所を知られぬために
手洗いに行くふりをして摘みに行くのが一般的であった。
現代でも婦女子が「少しお花摘みに」と便所に行くのはこの名残である!
Icon ティマンドラ
「なるほど、不勉強でしたが人の世では面白い道具があるのですね。
これではもう認めざるを得ないかしら」
Icon 腹パンタローネ
「姫様、何ゆえ!何ゆえ黴雪様を討ちなすった!黴雪様はあなたにとってもひとしく父君であられたはず」
Icon ティマンドラ
「その問いに答える必要はありません。あなたは仇を追う者、わたくしはその仇。
敵同士、語りあう由がどこにありましょうや」
Icon 腹パンタローネ
「あいわかった。
思えばこの腹パンタローネ、得べくんばそなたを生かして捕らえようなぞ、らしゅうもない甘い考えを持っておった。
そこまで言うのならもはや容赦はせぬ」
一瞬、悲しげに目を臥せた腹パンタローネであったが、すばやく身構えるやいなや、びょっ、という風を切る音とともにティマンドラの腹に爆発的な突進をした。
肉ごとえぐり取らんばかりの勢いの拳が腹に逼迫したその刹那!
Icon 腹パンタローネ
「やっ、きゃつ!」
弾丸のごとく放たれた拳は、しかし、むなしく空を切り腹パンタローネはたたらを踏んだ。
Icon ティマンドラ
「あなたに拳を教えたのはこのわたくしですが…。
教えた通りの動きですね、よく鍛錬しているようです。
ほめてあげましょう」
ティマンドラが腕を薙ぐ。
その顔は弟子の成長を見守るかのような穏やかなものだったが、薙ぐ腕は鋭く、鶺鴒の尾のごとし!
白虹を描き腹パンタローネの皮膚を、肉を切り裂いた。
爪だ!
白魚のようなティマンドラの手先には、不釣合いなほど硬く鋭利な爪が備わっている!
腹パンタローネの拳が重い鈍器なら、ティマンドラのそれは重さと鋭さを備えた鉈の一撃だ!
Icon 腹パンタローネ
「ちっ」
血を飛び散らせながら、それでも拳を放つ腹パンタローネだったが、ことごとくティマンドラの腹に当たらず空を切る。
のみならず、避けざまに繰り出されるティマンドラの一撃は腹パンタローネの傷を大きく深くしていった。
おお、まさに伝承の通り!血満香が香る場所、血の海あり!
しかもそれは腹パンタローネの血によって!
Icon 腹パンタローネ
「きゃつ、こしゃくな…ややっ」
幾度目かの攻撃か。
次こそ敵を捕らえんと睨む腹パンタローネだが、しかし、敵の目から一筋の雫が流れるのを確かめるとその動きを止めた。
血化粧をしながら空しく死のダンスを舞う腹パンタローネ。
月光を受け、銀色の糸を頬に伝わらせるティマンドラ。
それは勝者と敗者を分かつかのような光景だった。
Icon 腹パンタローネ
「何を泣く」
Icon ティマンドラ
「これは醜態。
ただ・・・かつて父と慕ったお方を手にかけ、
今度は実の弟のように愛した人を手にかけなければいけないことを思ったらふと目頭が熱くなりました。
しかもその弟は当たらぬ拳をかつてわたくしが教えた通りの動きで…
あの頃の動きのままで向かってくるのです…
その姿がただ健気で…」
Icon 腹パンタローネ
「わはは、何を勝手にセンチメンタリズムに浸っておるのやら。
そなたは「可哀想なわたし可愛い♥」と自分に酔うておるだけに過ぎぬ
今よりそなたが浸るはGERO(旧テリメイン語で嘔吐物の意)の海」
Icon ティマンドラ
「昔から負けぬ気の強い子でしたね。わかりました、あたら苦しめるのも偲びありません。
次でその首を落とし楽にしてあげましょう」
Icon 腹パンタローネ
「おうっ」
腹パンタローネは気合と共に猛り狂う突風となった。
一合一閃!
パニッ
Icon ティマンドラ
「かひゅっ」
Icon 腹パンタローネ
「はぁ~~~~調子こいたアマをぶっ叩くなぁ気分がいいなあ~~~」
Icon ティマンドラ
「え?なん・・・コフッ」
天なり!命なり!
腹パンタローネの拳はついに敵の腹に突き刺さった。
Icon 腹パンタローネ
「ティマンドラ敗れたり!賢しらなそなたのこと「士別れて三日なれば刮目して相待すべし」の言葉は知っていよう!
だが真の戦士は三日も待たせはせぬ、今この場で一気に成長してやったわ!
パニッ(腹パン)」
Icon ティマンドラ
「お゛ぅ゛っ」
続けて放たれる右の腹パン!
腹パンタローネは闇中ながら、くの字に折れ曲がる女の口より、つ、と赤い糸の走るのを見た。
Icon 腹パンタローネ
「あ↑れ↓れ↑~~~???血が流れてるよ~~~~?
もしかして初めてだったのかな~~~~↑↑↑?????」
Icon ティマンドラ
「ち、違っ…///カァァ」
Icon 腹パンタローネ
「ひゅう~~~~~~!
照れちゃって!か~わいい!
わはは!こいつは傑作じゃ!
まさか闇の姫君ともあろうお方がおBOKO(ボコられたことのない女性を指す旧テリメイン語)!
経験人数0だったとはのぉ!
しかも初めての相手は人間!
このわしぞ!
こいつはセンテンステリメインスプリング(テリメインに本社を構える闇の週刊誌。略称せんすり)が飛びつくぜ~~~~」
Icon ティマンドラ
「うっ…うるしゃいっ…ばかにするにゃあっ…」
Icon 腹パンタローネ
「あ?今までさんざっぱら人を小馬鹿にしてくれたのはてめえだろうが!
てめえみてえなお高く止まったメスはよ~~~、決万香に弱いってのが相場だぜ。
おらっ、嗅げ!モワアアアアアアア」
Icon ティマンドラ
「いやあああ~~~臭い~~~~」
Icon 腹パンタローネ
「なにがくせえだ、てめえの体からこれと同じもんがプンプン臭ってんだよ!
さらにこれはわしがアレンジした秘調法の決万香!
血行が促進され貴様の痛覚は数倍となるわ~~~!」
元来人間より優れた感覚の持ち主である天魔族は嗅覚は人間の数倍!そこに痛覚の数倍が上乗せAGEAGEだ!
そのダメージは1秒間で1億倍にも達していた!
FLUSH!
腫れ上がり熱を持つボディ!
Icon 腹パンタローネ
「おらおら、今まで父親どころか他の男に触らせたことのない腹を殴られるのはどんな気分かな~~~~?
おお、熱うなってきよったわ!(内出血)
初めてでここまで乱れよって!
冒険者集まる海はテリメイン!
しどけなき貴様の体は火照りメイン!パニッ(腹パン)」
Icon ティマンドラ
「んむむむぅ~~~うぶぶぅ~~(うそ・・・わたし口からGERO(古代テリメイン語でゲロの意)を吐いちゃってる…。
こんな・・・こんな・・・お口はものを入れる穴なのに・・・。
決万香成分入りのGERO出して気分悪くなっちゃってる・・・。
こんなのおかひぃよぉ・・・」
Icon 腹パンタローネ
「はぁ~~~~~ん?????ズドッズドッ」
Icon ティマンドラ
「お、お願い腹パンタローネくん…もうやめようこんな…こんなのおかしいよ…
こんな邪道珍法で女の子を殴るなんてよくないよ…
ねえお願い…お姉ちゃん本当に苦しいの…」
Icon 腹パンタローネ
「だまれ!
邪よ、魔よ!闇にうごめく住人よ!人を殺めておきながら自分は殴られるのがいやとは笑止千万!
あげく己の敗北を棚に上げ、他人の技を邪道珍法とそしるとは何事じゃ!
攻めも守りも表裏一体!
生きるも死ぬも表裏一体であることを教えてやるわ!
おらっ、お待ちかねのわしの珍法じゃ!
決万香サービスもたっぷりとしてやるぞ!
パニッ(腹パン)」
Icon ティマンドラ
「あおおおお!珍法きつい!決万しゅごいよおぉぉぉガクガクガク
なにか来る!来ちゃうぅ!!!!」
Icon 腹パンタローネ
「ゲロでしょ」
Icon ティマンドラ
「あっ・・・ぴいぃ!!!」
プシャアアアア(ゲロが噴出す音)
Icon 腹パンタローネ
「勝機、見えたり!畳み掛けるぞっ!
(腹パン)」
Icon ティマンドラ
「逝ぐ逝ぐ!決万香に珍法来て(あの世に)逝ぐ!
来てるのに逝く!
逝ぐのおおおほほほほにょほほほお!!!
あっ、やべっ。
これガチでやばいやつだゲロロロロビチャビチャビチャ」
Icon 腹パンタローネ
「わはは、あさましき雌!雌雄決するとはまさにこのこと」
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
暁の薄明、黴雪の手勢と蟹倫が薄暗い森の中を走る。
Icon 番兵長
「確かなのか?この先にお館様を殺めたものがいるというのは」
Icon 番兵
「ははっ、先ほど下男の腹パンタローネより合図の狼煙の画像がLINEで届きましてござりますゆえ!」
Icon 蟹倫
「御用!御用!」
Icon 番兵長
「やっこれは」
Icon すずめ
「チュンチュンチュン」
そこにはもはや何者もおらず、ただ早朝の陽光に照らされ曙色に光る嘔吐物。
そしてそれをついばむすずめが残されているのみであった
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