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波打ち際、木製の小屋に看板が掛けられている。
『世界には海の泡ほどの数の人間及びそれ以外の種族が存在し 海の水ほどの量の尽きせぬ悩みが存在するものです。
丘の上には様々な教えと救いを説き伝えるものがおりますが、 海の中ではいかがなものでしょうか。
導き教えることができるとは申しませんが、 共に悩むことであれば誰であれできるはずです。
何か小さなことでも悩み事があるかた、 誰かの悩みに耳を傾けたい心のおやさしいかた、 ささやかに言葉を交わして気持ちを豊かにしたいかた、 そのようなかたがたの為の椅子を粗末ながら用意いたしました。
お気軽にお立ち寄りいただければ何よりです。
心の憩いのために築いたあばら家です。 暴力行為、人の悩みを軽んじ笑い飛ばすような行為は 固くお断り申し上げております』
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潮風に傷んだ木壁とところどころ脆くなった床の上に 足のすこしぐらつく背もたれつきの椅子が十個ほど、 少し固めのクッションのソファが三脚。 どれも古びているがそれなりに清潔。
別段目立つ宗教的なシンボルが置かれているでもなく、簡素な小屋。 窓際には海色の硝子の洋燈が置かれ、野草らしき素朴な花が小瓶に飾られている。
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(雑談主体のあまり堅苦しくない教会風コミュニティを目指しています。 誰でもいつでも参加脱退、お気軽にどうぞ) | | |