Seven Seas

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C1005 幽霊船『不死鳥号』
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各地に伝わる、あやしき話。
三本マストの大帆船、近づけばその帆はぼろぼろ。
水夫もなく舵は切られ、どこへともなく彷徨う。
ただ一人立つ船長には、顔がないという。

からのはずの船倉からはべちゃべちゃりとぬめりの音
客室のシーツはじっとりと湿っている
船長室の扉はかたく閉ざされている、ノックをすれば返答はあるだろう。
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コミュニティメッセージ
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PNo.1005 フレデリク・ファン・クリーケン
からのメッセージ:
Icon ──どうどう広い船の上、人影もない船の上。
  じゃあこじゃあこと乾いた音。
  船乗りなら皆知っている。甲板掃除の石摺りの音。──

──じゃあこじゃあこのその中に、小さく小さく、話し声。
  ぶちぶち言っている。
  二人か、三人、はたまた独り?
  声があんまり小さいのだ。──
Icon
 ……掃除なんぞと、一体どういう風の吹き回しだか?
 どうせ一片、海へ潜れば、そこいらじゅうが藻だらけ、毛だらけ。
 寄り付く客もなかろうに。何年ぶりのお達しだ。

 ……何年ぶり、何年ぶりか?
 前の新年の祝いぶりだってんなら、まあせいぜい、一年ぶりさ。
 年がかわった。年があけた。年が終わって年が始まったのよ。

 ……そんなものに何か意味が?
 季節の一巡りなんぞ、一寝入りしてるうちに過ぎちまう。
 それで風が変わろうが、潮が変わろうが、今更気にすることあるか?

 ……こないだ立ち寄った陸の町で、今時分の暦を貰ったとかでね。
 大将、ひどくはしゃいでいらっしゃる。
 世間様と、“足並み”を揃えるんだと。

 ……祭り好きだねえ。

 ……おっと、止めるな、休めるな、手を動かせよ。
 おさぼりがバレたら、鞭打ちだぜ。

 ……鳥籠の刑かもよ。

 ……陸流しは?

 ……それは、ご褒美だろうよ。
                                  )
Icon ──じゃあこじゃあこ、音はすれども、声はすれども、姿は見えず。
  ただ、聖なる甲板摺り石が、その身にびっしりとふじつぼを纏わせて、独りでに、
  じゃあこじゃあこ、這いずっているように見える。──

PNo.1003 ユメミ
からのメッセージ:
Icon (船底ですやすやと眠っている) ※我が家だよ
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コミュニティメンバー
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