ズキン、ズキン———頭がズキズキと痛む。
何処かに思いっきりぶつけた感じになっているようだ。
痛む頭……何とか起きようと目を開ける。

まだ頭が痛む……けど、やっと今置かれている状況が理解できた。

辺りを見回しても、私の知る景色じゃないし何だか色々と……例えるなら、そう、外国に居る感じだ。
携帯……は、見ても圏外って出る辺り……多分、外国でもないのかもしれない。

途方にくれていると、背後から声が聞こえる。

素っ頓狂な声をあげながら、後ろを振り返る。
其処には、自分と余り背格好が変わらない少女の様な子が立っていた。
…ん？ちょっとまって、何で今の今まで気づかなかったんだろう…普通なら気配を感じる筈なのに。

…何となく意地悪な聞き方だと思う。と言うより意地悪な子だこの子。
そりゃ、気になるよと言葉にすると……この世界の事を一つ一つ教えてくれた——。

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精鋭も何も、戦う力なんて全くない自分が呼び出された理由が判らない……。
それに、私が此処にこうして居るという事はルリちゃんやマネージャーさんも……多分、同じように此方に来ている可能性がある。

ちなみに、目の前にいる彼女はサラマンダーと呼ばれている「エンブリオ」らしい。
気配に気付かなかったのは彼女？がそういう存在だからだとか。

私が呼び出された理由……それに応えようとサラマンダーは腕を組み考えてから口を開いて。

手違いで呼び出されたならホント、とんでもなさ過ぎて困っちゃうから！
いや、困るどころか迷惑だよ！！と叫びたい気持ちを抑えて…おこうと思ったけどやっぱり叫んだ。

敵という言葉に、サーッと血の気が引いてしまうのを感じる。

普通の人間の攻撃じゃたかが知れているだろうと思い言葉にする。
それに対する返答は「そうね」と告げられ……肩を落としていると。

契約という言葉を聞き、先程の彼女に教えて貰った会話を思い出す。
力を認めてくれた者に対して契約を——生命力を少し提供すれば力を貸してくれるという言葉。

此処までの行動を思い出す。
頭痛くて起きた、現状を把握するために色々と考える。
振り返ったらサラマンダー……この世界の事を聞く。
サラマンダーが契約を迫る←New！

うん、やっぱりどこにも認められる要素が無い！

友達？……友達。

気になって聞いてみる事にする。
少し言い辛そうにしてから彼女は口を開いて教えてくれる……。

簡単に纏めると、理由としては。
今まで来た人達の数が多く、周りにいっぱい居たエンブリオ達が少なくなって来てしまい……彼女の友達もちらほらと契約を結んで旅立ったらしい。
……彼女は、中々契約を結べずこうして取り残されていた……との事だ。

友達も居なくなり、契約を結べず一人寂しい所に此方の世界に飛ばされた私と遭遇。
縁という事もあり、こうして契約を結ぼうと提案してくれているのが今の状況になる。

即答。
彼女の手を取り、握手をすれば笑顔でこれで友達だよ。と告げる。

サラちゃんと握手をしていると不意に身体の力が抜ける——けど、直ぐに彼女の力が流れ込んでくるのを感じた。
どうやら、これで契約は結べたようだ。

そんな感じで進んでいく事になった。
これからどんな事が起きるかは判らないけれど……頑張れば、元の世界にだって帰れるだろうし仲間たちとも再会できる……そう思えば頑張れるから。

気合入れて行こう！おー！！

（エンドレス）