No.1890 ダンウィッチホテルINDEX >>
[設立者] ENo.1890 触手姫

薄暗く陰鬱とした雰囲気を漂わせるンガイの森の中。
深く生い茂った樹々のすき間から、古い洋館がポツンと建っているのが見える。

重い扉を開けて中に入ると、長い黒髪の影のような女が出迎えてくれる。

??? >>
ようこそ、当ホテルへ
私は副支配人兼コック兼メイドを勤めます舞野蔵子と申します
舞野蔵子 >>
そしてこちらがお客様のお世話をいたしますメイド達になります
何か御用の時には私かこの子達にお申しつけください
影絵メイドA、B、C >>
…………
……
舞野蔵子 >>
それではどうか、ごゆっくりとお寛ぎの程を……

そう言って深々と一礼すると、女は音もなくいつの間にか姿が消えていた。
さっきまで一緒にいたはずのメイド達も溶けてしまったように、どこにもいない。

誰もいなくなったホールには、どこからともなく夜鷹の鳴き声と、それに呼応する様に
野犬達の遠吠えが聞こえてくる。



そう、ここはダンウィッチホテル——



※注意事項※
森の中にある何の変哲もないただの古いホテルです。
節度と良識をもってどうかご自由にお使いください。
ただし、お客様同士のトラブルについては厳禁とさせて頂きます。
なお長期のご利用の場合はSAN値の残量にご注意ください。
地下室は立入禁止です                    ……ナカニダレモイマセンヨ?

※従業員※
舞野蔵子
明らかに日本人には見えない長い黒髪の影のような印象の女性。
当ホテルの副支配人兼コック兼ルームメイドを勤めております。
影絵メイド
ホテルで働くメイド達。複数いるらしいが見分けがつかない。



参加者からのメッセージ

クティラちゃん(1890) からのメッセージ >>
奇妙な"声"が屋敷全体を震わせた一瞬の後、すぐに静寂と平穏が戻ってくる。
先ほどまで騒ぎ立てていた夜鷹も不気味なほどに静まり返っている。

>>ベレーネ様
舞野蔵子 >>
ええ、ベレーネ様お一人でございますね。承りました……ふふふ、大丈夫ですよ。
影は常につき従いつき纏うもの、その数に意味はないと心得ておりますので
舞野蔵子 >>
それではお部屋のほうに案内させて頂きます。どうか心置きなくお寛ぎください

影絵メイドC >>
……素数とは1以外で、自分と1でしか割り切ることのできない自然数のことです(ボソッ)

影絵メイドC >>
今のはただの独り言です

>>ツナ様、ソルト様
影絵メイドB >>
はい、畏まりました。ツナ様とお呼びすればよろしいのですね。
それではツナ様、よろしければ当館のご案内をさせて頂き……あっ
影絵メイドB >>
行ってしまわれました……あ、はい、ソルト様。頂戴いたします。
それでは何か火急の用件の際にはこちらにご連絡させて頂きますので

恭しくお辞儀をしながら名刺を受け取ると、あちらこちらを興味深そうに眺めるツナ様の後を慌しく追いかける

影絵メイドB >>
ツナ様、お待ちください。案内なら私どもが致しますので……!

>>イシュメール様
影絵メイドA >>
くぁ……響いたぁ。うう、まだ頭がガンガンするかも

影絵メイドC >>
でも、どうやら"銀の鍵"は施錠されたままのようね。
イシュメール様もお部屋に戻られる様だし、とりあえずは一安心と言ったところかしら

キィキィ——とまるでその言葉に同意するかのような金属を擦り合わせるような音がする。
だがしかし、それは同時に慌てふためくメイド達を嘲笑う声の様でもある。キィキィ、キィキィ——

影絵メイドC >>
あまり悪戯が過ぎるようなら、副支配人に言いつけてシチューの具にしてしまうわよ。
それが嫌なら、使い魔は使い魔らしく言う事をお聞きなさい。ブラウン・ジェンキン

キィ——!その恫喝に苛立たしげに一声鳴くと、不快な音を残して薄暗がりの中へと消えてしまう。

影絵メイドA >>
まったく、あいつ等にも困ったもんだよね。
門の神様が目覚めちゃったらボクらだってタダじゃすまないってのに
影絵メイドB >>
お喋りがすぎるわよ。誰に聞かれるかも分からないんだから自重なさい。
それと、いつまでも休んでないで、手が空いてるならイシュメール様のお世話をお願い
影絵メイドA >>
は、はーい。よろこんでー(汗)

イサナ(721) からのメッセージ >>

チェックインを済ませ、部屋へと案内されたベレーネ。
従業員が部屋から立ち去った後、姿を隠していたアルケウスがベレーネの前に現れた。

アルケウス >>
アネゴォ… 何勝手にこんなアヤシイ屋敷に入っちまてんだよォ…
ベレーネ >>
イイい所じゃないですか。古風だけど内装は綺麗だし。
それにしても、副支配人とか言う方の全身から滲み出る尋常ならざる気配。
アルケウス君も感じたでしょう? それだのに…
君は影のエンブリオでしょ? 咄嗟に援護オーラを放ってアシストしてくれると信じてたのに、物陰の更に影に溶け込んでじっと動かないなんて。とんだ見込み違いですよ。
アルケウス >>
うーん。 この人、やっぱドコか頭のネジぶっ飛んでるよなァ…


ベレーネ >>
ところでアルケウス君。副支配人さんの言葉。覚えています?
アルケウス >>
へ? いや、もう何かこの建物の中がおっかなくてそれどころじゃ…
ベレーネ >>
全くもって頼りない限りですよ!
イイですか。彼女は宿泊の規約として私にこう言ったんです…

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このホテルへのご宿泊の際の注意は3つ。
一つ、宿泊前に宿帳に名前を記載して頂くこと。
一つ、お客様同士のトラブルを起こさないこと。
一つ、……地下室には"絶対に"近づかないこと。以上でございます。

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アルケウス >>
…………いや。地下になんて絶対行きません、よ?
ベレーネ >>
GO! 男は黙って、GO TO HELLですよ!
アルケウス >>
いや、ダメって言われてるものに近付いてバカを見て当然じゃないっすか。
そういう思慮ってのは大事だと思うんすよね。無茶や冒険はゲームの中だけにしましょうや。
ベレーネ >>
君の性格は能力とサッパリかみ合ってませんネェ。
もっと大胆になれば望むモノが手に入るのに。
虎穴に入らずんば虎子を得ず。他者より安全に虎穴に入れるのに
何と勿体無い事か。

そのとき2人は耳鳴りのような音。あるいは声を聞いた気がした。
耳を澄ませてみれば、屋敷内はどこか慌しく人が動いており、
屋敷の外からは鳥の鳴き声が響いてくる。

アルケウスはそわそわと落ち着きを失い始め、
ベレーネは心の中で一人ほくそ笑んだ。

ベレーネ >>
フフッ すでに私達は虎穴の中かもしれませんネェ…

イシュメール(1800) からのメッセージ >>
イシュメール >>
タオルと水差し…
どうやら入れ違いになってしまったようだ。悪い事をしたな。

のろのろと戻った部屋の中の変化に気付き、イシュメールは少し気まずい気分になる。

だが、どこかおかしい。
頼み物を載せたトレイは無造作に置かれており、ベッドのシーツの乱れも直されていない。

随分と雑なルームサービスだな。
宿を取った時の対応を考えると少し意外だけれども… それとも、よほど慌てていたのか?
ボクが部屋にいなかった事で、何か不都合でもあったのだろうか?

宿賃を取らないと言うのだから、それなりの対応なのかもしれないが、思い当たる節もないではない。
『副支配人』に館について尋ねた時の、どこか取り繕うな返答。
そのことが頭の隅に引っかかっていた。

そういえば、先程、足を踏み入れようとした階段は、客向けにしてはやけに寂れた造りだったような気がする。
今思えば、あの階段は地下室に続くものだったのかもしれない。

……まあ、引き返した今となっては考えても仕方ない事か。
とにかく、今は休もう。身体がひどくだるい。

もはや考える事も面倒なくらいに身体が疲れ切っていた。
意識は途切れ途切れで、全身が思考する事を拒否している。
目の前のベッドに倒れ込めば、そのまま眠りに落ちる事ができるだろう。
あれほど騒がしかった室内の騒音も、今では嘘のように静まりきっている。

ひどく不自然な静寂。

まるで、獲物を視界に捉えた猟犬が、襲いかかる瞬間を見計らっているかのような、殺気を帯びた静寂…


(次回、第11回更新はお休みします)



参加キャラクター : 4名