水辺の兵士たちは、見た目から想像できる通り、特に大きな障害になる事は無かった。
十分に水を補給して、今度は森の方へ足を伸ばすことになった。
危険は多そうだけれど、アルファのエンブリオ調査を進めるためには、
安全な場所を選んでばかりも居られない。森の中ならば食料の補給も出来るでしょう。

久しぶりに会った…気のするヘッセたちだけれど、あまり長くは居られないみたい。
短い会話だったけれど、ヘッセにもキルケにも、気を遣わせてしまった気がする…。
ヘッセは、せっかくメルンテーゼを楽しんでいたみたいだったのに。
次に会ったら気をつけなくちゃ…。

気を取り直して、アルファの元へ向かう。
腕のメンテナンスもお願いしたから、森へ行く前に動作を確認しなくちゃ。
しっかりしないといけない。私は、アルファの護衛なんだから。

コロは散歩に行きました。
今はアルファさんが、姉さんの腕の点検中なのですぐに移動は無いだろうけど、
三千里とか…里って、たしかＫｍの４倍ぐらいでしたっけ…
あれが本気なら、日帰りはまず無理です。
……まあ、困惑はしましたけど、せっかくコロが居なくて平穏なので、
今のうちに好きなことをしようと思います。

　ガサガサ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガサガサ

時間もあるし、せっかくなので料理をしてみることにしました。
姉さんは腕があれだし、コロは食い意地があれだし、
…アルファさんも料理とかしそうにないですし、ここはボクがやってみるべきだと思います。

　　---------２時間後---------

　　　　　　　ぶしゅっ　グシャ

ボクの初料理は、あまり上手く行きませんでした。
姉さんやアルファさんにはとても見せられない物体が出来上がりました。
………あれ、どうすれば良いんでしょうか……

迫ってくるコロを怯えた猫のように逃げ惑う。
逃げ惑いながらミルの言葉に反論する。

言いながら腰のポシェットから幾つか工具を取り出し
手早くユキナの機械腕を分解していく。

ぶつぶつと独り言を言いながら手を動かしていく。
声をかけない限りはずっと夢中で弄り回すだろう。