Epilogue


長い戦いにも終止符が打たれた。
そんな話が舞い込んだのはつい最近のことだ。
もともと「悪い王様をこらしめたい」という動機で動いていたので、王を倒した後、さらに裏で糸をひいていたラスボスがいたって、懲らしめるのは自分の目的ではなかったので、だれかが倒した、という話だけの認識で十分だった。
一揆が終わる。
それはこのパーティーでの一緒の行動も最後だと言うことだ。
一人慣れするために山に来てみたが、多分生まれ故郷であるここに、何となく懐かしい気配はあった。
何度か一揆の最中にもやってきた場所だ。
そのときも実は近くにいたかもしれない。
人化を教えてくれた友人だとか、お世話になっていたおじいちゃんだとか。
会いたい気持ちはなくはなかったが、逃げ出した自分がいては、彼らもまた被害にあうかもしれないと我慢していたのだ。
最後の最後までがんばった。
一揆も終わる。
「お家帰る」なんて弱音も吐いたりしたが、ぐっとこらえた。
それも最後だ。
もう我慢してあわないでいる理由もない。
ならば次の目的は、この世界で友人と再会して、この世界で暮らすこと。
里を作りなおして、プロの教えを持って、畑を作るのも良いかもしれない。
おみやげ話をいっぱいしよう。
一緒にこんなとこに行ったとか、こんなことをしたとか。
ごめんなさいもありがとうもいっぱい体験したよ、と。
今のみんなとはもうお別れかもしれないけど、もしかしたら普通に再会してまた遊んだりもできるかもしれない。
それまで里帰りのちょっとだけのさよならだ。