『一揆も終わり、ヘイルの成長も良好。面白い出会いも会ったし、中々に楽しめたわ。今度こっちに戻るんでしょ？色々と話を聞くといいわ。そうそう、二人が懸念してた魔法についての適正だけど、こっちでも色々あったお陰である程度は使えるようにはなってるみたいよ。そっちの話も聞きたいし、すぐに戻って来なさいよ』

「ま、こんなところかしらね？」

一揆の終焉、祭りを見下ろしながらローゼが呟く。ヘイル達は一時的に出かけているため、今はローゼ一人だけが屋敷に残っていた。

「ヘイルも成長したし、やっぱり来てよかったわね。交友関係については……うん、人狩りと手を組んでることも多かったけど……まあ、ヘマさえ踏まなけりゃいいわね」

あとは……ローゼが少し呆れながら視線を移す。その先にはヘイルが手に入れてきたメルンテーゼの珍しい素材である。

「うん、珍しい物は集めなさいとは確かに言ったわね。確かに珍しい物よね……うん。でも……」

ローゼ自身そういうものを集めているし、そういう部屋を作っているのは確かだが・・・

「部屋５個はさすがにやりすぎよおおおおおおおおお！」

主以外誰もいない屋敷で主の声が虚しく響くだけであった。










「ね、ねぇお姉さま。さっきローゼお姉さまの声が聞こえた気がするけど……大丈夫かな？」

「多分気のせいだから大丈夫よ。仮にお嬢様の家に侵入者が来ても返り討ちにするか気紛れにおもてなしするだけだしね。　あ、これも良さそうね。買って帰りましょう」

そんなことはつゆ知らず更におみやげを買って帰る従者であった。





最後がこんな酷い日記でいいのだろうか∈(・ω・)∋

少し迷いが晴れた顔で風呂敷を包み始める。

ひょっとしたら自分以上に苦労して生きて来たのかなっと思いつつ。
だたそれを聞くのはちょっと遅かったかなと——

魔法の方は……とは何となく言えなかった。
最後くらいはちゃんと出来ると思ってもらいたかったから——

本当にどれだけ助けられたか……多分想像できないほど助けられてきたはずだ……

包み終わった風呂敷を背負い、呼び止めていた馬車に乗り込む。

——次会えるのは……何年後になるかな？
　　その時には……ちょっとは背も伸びてるといいなぁ……