「やぁ、何や知らん間に解決したんやな、良かった良かった」
「終わったあとに出てくんなや、そこ」
「せやて、あんまぇ他人様が関わるこっちゃないと思たんでなあ。サクロのもそない思て見てたんやろ？」
「何したらエエか、分からへんかったんでな」

　朗らかに笑いながらこの屋敷の名目上の元締めに声をかけると、不機嫌そうないらえが返ってくる。可笑しくてくすくす、と笑いながら肩を震わせると、不機嫌そうな視線は更に細められて半眼になった。

「まあ、今回の実力行使は大目に見たるよ。お互い納得しとるみたいやし。ご苦労さんやね」

　先程遠目で見かけたユーグの頬が腫れていたことと、その相手に寄り添う距離が普段よりも半歩分近かったツグミの姿を思い出し、労りの言葉を投げかけると、半眼のままサクロはこちらを視線だけで射竦める。

「そっちはまだ納得できてへんのと違うのん？」
「あ？　ああ、別に他所様の事情に積極的に首突っ込む気ぃはないさかい、納得出来んでも別に構へんよ」

　にこり、と笑みを浮かべるこちらに、ますます嫌そうな顔になるサクロ。

「『子供』が傷付かんなら、てか」
「勿論や」
「従業員同士の刀傷沙汰はゴメンやで」
「僕、従業員ちゃうし？」

　にこにこ。張り付いたような笑顔にけっ、とわざわざ聞こえるように吐き出した相手に、今回は無事だっただろう、と言うと、無言でこちらを見てくるのに、更なる笑顔で返してやった。

「僕はただ、『子供』の成長の邪魔になるモンはいらんよなあて、思てるだけやしな」

　——そういう生き方しか出来ない生物だと、知っているだろうにね？

System Message : M.E.E.駆動...出力...30%...40%...50%...M.E.E.戦闘出力確保......

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