「何度目の正直とやらか、荒野の先で魔女と遭遇したという。
炎の巨人を召喚したとかいう話を聞いたが…本で読んだだけだが、聞く限りだとあれは
旧神話の存在ではないのか？そのようなものを一時的にでも召喚できるとは…」

「魔力の程が窺い知れるわね、世界を無に帰すというのもあながち大法螺ではなさそう。
けど私、百年単位で生きているけどそんなものがいるなんて話聞いた事なかったわよ。
そのくせエンブリオやネクターに随分と関わりのある事を言っているというし、何者かしら…」

「コア殿らは無事に…ではなく主が相打ちだったようじゃが、現王を撃破できたようじゃな。
何、勝ってさえしまえばこちらのものじゃろ。一区切りということころかの？
…人が集まれば必然じゃろうが、天蓋庭園には人斬りも多いと聞いておる。油断せぬようにの」

「狂気に囚われたものはその狂気を認識できなくなる…とは誰の言じゃったか…
しかしここ数日のメルンテーゼも(出現mobが)冒涜的かつ(魔女の言動が)狂気的で
十分マッポーめいてる気がせんでもないな」

「リンゴが手足と胴体生やして歩いている世界で今更何をという感じだが…
農場などを見ているとここの土壌は重金属酸性雨にでも冒されているのではないかと
思ってしまうな。よくよく考えるとバイオ生物も裸足で逃げ出すレベルだぞ」

「他の"世界"ではそんなの信じられないって言われてちょっとカルチャーショックだったり。
アップルさんとか普通にアップルさんだし、オレンジさんもオレンジさんじゃん？」

「人間達は適応能力が高いから未知の環境にも早い段階で順応できるじゃろうし
より快適な環境があればそちらに移りゆくのは自然な流れじゃと思う…が
過疎化高齢化の進んだ町村のようにメルンテーゼからヒトが流出しておるという話は
あまり聞かぬしのう…"生きた"関係かそうでないかの違いを取ったのではなかろうかの。
何にせよ、我らにとってはありがたい事じゃよ」

「安全に生きていられるだけありがたいと思う面もあるが
ただの動物ではなくエンブリオとして生を受けた以上、契約し力を行使する事で
その生を享受している実感のようなものを本能的に欲しておるのかもしれんな…」

「契約主に対しては勿論、同じ契約主を持つエンブリオの間にも何かしらの働きかけ…
"理"が作用するのかもしれんな。それに契約済みのエンブリオ状態で殺し合っても
互いに不利益しかならないと思うしのう…」

「殺す事でそのエンブリオに注がれた生命エネルギーを獲得できる…
とかなってたらどういう結果が訪れるかは想像に難くないよね」

「やめてくれ、シャレになっとらん」

「うむ、主の違うエンブリオ達が集う場所の数あるうちの一つと認識してくれればよい。
別段何もないが、故に平和な場所じゃよ。カゲ殿も情報交換や休憩に利用するといいじゃろう。
近頃は皆慌ただしく動いている所為か顔を出すものも少なくなってきたが…
便りが無いのは元気な証拠と言うし、各々の手法で一揆の解決に勤しんでおるんじゃろうな」

「エンブリオについて、か…不確定な情報で不要な混乱を招きたくはないが
魔女が何やらエンブリオとネクターに関する件で非常に重要な事を言っておったそうじゃな。
我は又聞きじゃから何とも言えんが、我らの存在の根幹に関わる事だそうじゃが…」

そういうのが　とくいなのも　いたり　するけど　かわりに　べつの　つかいかたが　できなかったりして
おなじ　しゅぞくでも　さいのうや　せいかくで　できる　ことが　けっこう　ちがうよね

そうなんだけど　ぼくと　しては　できるだけ　れんしゅうでも　しっぱい　したく　ないなあ
ほしくさに　つっこむと　はねの　すきまに　きれはしが　はさまっちゃって　ていれが　たいへん

どんどん　ふくざつな　ものを　つくって　そのうち　つかいかたが　おぼえきれなく　なったり　しないのかな
ぼくなんか　もじの　べんきょうで　せいいっぱいで　しばらく　あたらしい　どうぐなんて　さわって　ないのに

うん　いまは　いっきで　いそがしいけど　かえったら　また　がいじゅうくじょを　がんばらないとね
うっかり　やまに　はいられたら　ぼくの　かぞくとかも　あぶないかも　しれないし