「…天蓋庭園で、遂に奴と…現王と遭遇したという情報が流れてきた。
ネクターに覆われた見るも悍ましい姿だったそうじゃが…」

「ご主人の予想よりもちょっと早かったみたいだね。
黒鎧の騎士や派手な服装の金髪青年も勿論そうだけど、その他にも
庭園内でももう少し妨害があると思ってたって言ってたよ」

「駒が尽きたのか、はたまた慢心か…是非とも前者であってほしいものだが。
民から独占した大量のネクターを抱えておいての、満を持しての登場だ。策があっての事だろう」

「尻尾を掴んだとはいえ相手は現王、そう簡単に打ち倒せるとは思えないわ。
それに例え無力化できたとしても、どんな悪足掻きをされるか分からない…
何があってもいいように、用意は万全にしておかないといけないわね」

「ふーむ。…まぁ、誰かがこうと言っても他のものも同じとは限らんしな。
コア殿のような形態のエンブリオもおるわけじゃし、捉え方感じ方はエンブリオによって様々なんじゃろう」

「やっぱそういう事になるよねー。
ボク達のうちの誰かで実践するしかないんじゃないの？ｗｗｗｗｗｗｗｗ」

「言い出しっぺの法則というものがあってじゃな。
…主の契約限界数にもまだ余裕はあるし、必要に迫られたらその時考えればよかろう」

「そのような話を聞かないという事は、もしかしたら
この"世界"の"理"が、『そういうもの』だと我らの認識を誘導しているのかもしれぬな。
故に"理"の適用範囲から出る…例えばこの平行世界の外の"世界"へと
行くような事があれば、その部分を知覚できるようになる可能性は高いじゃろう」

「…という趣旨の話を我の主から聞いた。正直眉唾物なんじゃがのう。
確かめてみたい気持ちも無いではないが、我らエンブリオはネクター共々この"世界"特有の
密接な関係にあるわけじゃから、出ようと思っても出られんかもしれんしな」

「我もこうとは断定できぬから推測でしかないが
恐らく元が何でもいいわけではないのではないかのう。
我らの根幹を司るエンブリオとしての要素に加え
自らの潜在的なものも含む意志が交じり合ってはじめて
互いの要素に適したかたちが作られ、この"世界"に顕現するのかもしれん。
例えばガスティ殿ならばアニマ(獣)＋飛行(空)＝鳥…のような感じなのではないか？」

「…何というか、やたら宗教じみた感じになってしまったな。
元々は何か、まで追求するとさらに深みにはまりそうな気がする」

「木の枝一本あっただけでも断然生存率が違ってくるものだが
草一本生えていない荒野に放り出されでもしたら真っ先に犠牲になるのは人間だろうな。
そういう環境で進化してきたのだから、仕方がないと言えば仕方がないのかもしれないが…」

にたような　いきものが　そういう　こと　してれば　できるかも　しれないって　きに　なるけど…
とりが　かりを　するときって　だいたい　うえから　とびかかる　だけで　あんまり　ほかの　くふうとか　ないからなあ

しっぱいして　おおけがとか　したら　たいへん　だから　れんしゅうは　しんちょうに　やるみたい
ぼくたちが　みるのは　かんせいした　わざ　だけだから　とんでもない　ことにしか　みえないけど…

ぼくと　しては　あんまり　すごい　ことを　してる　じっかんは　ないかなあ…
むらの　しごとを　だめに　する　がいじゅうが　いるから　くじょ　してこいって　いわれた　だけだし

たび…　してる　ひま　あるかなあ？　かえったら　また　むらを　まもる　しごとが　あるし
とぶのは　すき　だけど　ふるさとの　やまや　むらも　すき　だから　あんまり　とおくに　いく　きは　ないかも