色鮮やかな庭園を抜け、踏みしめたのは枯れた大地。
僕たちが暮らす砂の地とは少し違うけど、命の死に絶えたその光景は悲しいかな。
どこか似通ったものがあった。
此処もやがては砂の海と化すのだろうか。
地を踏む度に乾いた音がする。
この地も嘗ては草木が生い茂り、豊かな水が巡っていたのだろうか。
何故、それが失われてしまったのか。

戦いの果てにあるものがこの光景だとするならば。
僕は戦いたくなんてない。
でも戦わなくていいようにするには、戦わなくちゃいけない。
なんて矛盾だろう。
…何が正しいのか。
僕には、わからない。
わからないけど、僕には守りたいものがある。
だから、僕は進まなくちゃいけない。

砂地を抜けた先には、深い緑が生い茂る。
空も、地面も、見渡す限りの緑。
いつかあの砂の海をこんな緑に還られたら。

一度だけ故郷を瞼に描き、僕は森の中へと進んだ。

臨戦態勢だ。

ココリカは労わるようにアリィの首を撫でた

威嚇しているようだ。

辺りを警戒している。