魔物を退けたアラヤたちは雑談をしながら次の場所へと移動している。
先ほどの戦闘はソウハが想像以上に魔導具を使いこなしてくれたおかげで楽に勝つことができた。
最後に敵が仕掛けてきた不意打ち特攻には少しあせったが、幸い怪我はなかった。

隣を歩くソウハは、嬉しそうにグローブを何度も眺めてはお礼を言ってくる。
その様子に何故か恥ずかしくなってしまう。
だんだんソウハの笑顔を直視できなくなってきたので、顔を背けて歩き続ける。
それでも手は離してくれなかったが。

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しばらく草原を歩き続けていると、どこからか話し声が聞こえてきた。
だいたいこういう声に関わるとろくなことになった例がない。
しかしソウハは興味津々のようで、アラヤの手を引っ張って声のする方へと向かう。

茂みに隠れて様子を伺うと、二人の男たちが言い争いをしているようだった。
穏やかではない雰囲気を察して、巻き込まれないうちの退散しようと思ったが・・・すでに遅く、よくわからない理由で片方の男に強力することになった。

この面倒事の原因の一端であるソウハに抗議の視線を送るが、当の本人は意外とノリノリで戦闘態勢に入っている。

仕方なく痛い頭を抱えながら戦闘に入るのだった。