……ふぅ、こうも暑いと気が滅入ってくるね。
リィルがいてくれて助かったかな。

あらあら。お役に立てて何よりね〜。

お出ましみたいだね。
こっちは５体。そのうち１体は小さいながらに竜種か。
アピス、シシカ、フィルン。油断しないで行こう。

ジェイの方も……厄介な相手みたいだけど。
あの４人なら何とかするよね。

よし、今回はサクッと決めて、私は野鳥を捕獲しに行ってくるっ！

ヒクイドリか何かなのかしらね、あのインコ

うむ、皆気合が入っているようでよきかなよきかな。

ただ、次回はアピス君とマリナ君は別行動になるな。あちらの方でもうまいことやってくれたまえよ。

あ、フィルン君は私と一緒だからはぐれないようにな。

おおお、えるおねえちゃんえらいかんじがするのー。

あ、ブロッサムは、もしかしたらミリーおねえちゃんもみょうじがブロッサムだったからそれでなのかもしれないの。

ん？もしかして君達もラクベル君達一行を知ってたりするかね？連絡を聞いているとどうもラクベル君は顔見知りだったようだが。
ちなみにそこに「ミリー・ブロッサム」と言う、フロワラ君の姉が所属している。聞いたことあるとしたらそれでかもしれないな。

ち、ちっちゃくないの、フロワラはつよくないけど、ほかのみんなはとーってもつよいもん！

そっすよー、おいら達１人で百人力っすから！

レオ君は話がややっこしくなるからシャラップ。
ん、続きは車の中だな。了解した。

「魔術統制機構」——ああ、やっぱりそうでしたのね。
うふふ、本来の意味での“魔術師”に出会える機会がこれほど増えるなんて——
とっても素敵ですわ、嬉しいですわ！

……ああ、ごめんなさいませね。わたくしったら、つい浮かれてしまって！
そう、貴女の探し人のことでしたわね。
——貴女に負けず劣らず“素敵な”お嬢さんでしたから、よぅく覚えていますのよ。

最初にお会いした時は、ずいぶん警戒されてしまったものでしたわ。くふふ……
貴女の言う通り、同じような格好だったのがよくなかったのかしらね。

確か、名前は——
　　　　　　　　　　　　　“アヤノ”？

フルネームの発音が、わたくしには少し難しかったのを覚えてますわ。
サイ……サイノゥジ……　こほん、もうちょっとスマートな音だったのですけれど。
「魔術統制機構」という組織の名も、アヤノさんからお伺いしましたの。

わたくしの覚えている範囲で、お役に立てることがあればよいのですけれど……
マリナさんのお探しになっている方は、アヤノさんで間違いありませんかしら？

ああ、元々車に乗らない仲間を乗せるために比較的大き目の車を用意したからそこは気にしないでいいのだが…。

思ったより同行者が多そうだから、今度はキャンピングカーでも頼んでおこうか、ハッハッハ。

こなっぽいのはフロワラもやなのー。

ああ、フロワラ君は若干病弱と言うか、ストレスがたまると力が暴走するのでな…。その時の薬を作れるのが、レッド君だけなのだよ。

とゆーわけで、いちおう、おでのしごともないわけじゃないんだな。まあ、フロワラはおでのいもうととかむすめみたいなもんだぁ。しごとはめんどくさいけどだいじなものをまもるのが”おどご”ってやつだからなぁ。

だから、フロワラのじまんのおにいちゃんなの。

フロワラ君は身内に甘いからな…とは言う私も大概甘い方だと思うがな。
まあそれはそれとして、ネイキッドブレイブはそうだな…エルタ・ブレイアの一地方でガイアレッグ=スペランツァと言う者がたてたギルドだ。一応７年は続いているから、まあそこそこ安定はしていると言えるかな。
あ、そういえば最近名前を変えたのだよ。ラルクベルテ・ハンドレッドが率いる第二部隊が異世界の資源をある程度持ち帰れたと言う事で異世界進攻も視野に入れる事にしたため、エルタライカーズからネイキッド・ブレイブへとな。

ちなみに基本的な仕事はP-BLOOD能力を駆使しての魔物退治だな。他にもまあ、私のようにプロレスラーを兼業していたり、農作業の手伝いやドブさらい、宝探しなど、まあ、犯罪的なこと以外は一通りやっている何でも屋と思ってくれていいだろう。

と言うと、正直なところ、「それって成立するの」とか「それで食っていけるの」とか言うツッコミが飛んできそうだが……まあそこはあれだ。

成立しちゃってるし食えてるしいいんじゃないのー♪ってことで、あんまり深く追求しないようにっすよ。

説明はこんなところでいいだろうか。
そうだな、では逆に私からも聞かせてもらいたい。確か君は、ラクベル君の言う「マリナ」であるとするならば、「魔法というものを使える者」「ギルドとは違うが同じように組織に依頼されて来た者」と言うところまで聞いている。他にも聞いていることはあるが…まあ、ラクベル君の私的感想なので、いずれ連絡取る時に彼から聞くのがいいだろうな。

それでうん、気になるのはこの二つだ。

一つ目。魔法と超能力の違いはどこなのだろうか。詠唱が必須かどうかであったり、本人の能力か精霊などの力を借りるのかとか言う違いはあったりするがな。ああ、分からないなら、自分の魔法について話してくれると嬉しい。

二つ目。今回ここにきたのは、君のいた組織の依頼なのだろうか。今回ラクベル君ではなく、私が来たのはセルフォリーフの危険度が☆３つとするなら、メルンテーゼの危険度は☆５つか６つくらいの違いがあると考えている。基本、人と人の戦争のようなものだろうからな、一揆と言うのは。…正直、ラクベル君の話や、私が感じたところから学者肌の性格をしている君を寄越すのは、強さはともかく重要度としてはそのような者は危険に晒すべきではないと、組織が判断すると思っていたのだが……。

こんちはッス！

あら…

貴女、なかなかの観察眼をお持ちのようですわね？

…あれっ、まだ名乗ってないハズなのに…
おじょー様のこと、ご存知だったんスか？

…初対面のはずですわ。この方は…おそらく私の姿を見て、
おおよそ何者かを察したのではありませんこと？

へええ！すごいッスね…、見ただけで分かるんスか！

普通の方なら、なかなか出来ない事ですわね。

異世界の魔術師…マリナ＝ルイーズ＝スペクトラ。
ご丁寧な挨拶、痛み入りますわ。

そうですわね…楽にしてくれて構いませんわよ。

私はここより北西の地の領主の一人娘、
ミルフィーユ・オ・シューノワールと申しますわ。以後お見知りおきを。

マリナさまっていうッスね！
オイラは、おじょー様の従者のシロっていうッス！

異世界から来たって言う方は、はじめてッスね〜！

異世界……興味がありますわね…。
一体どのようなところから、こんなところへいらしたんですの？

　　魔法回路駆動
《 Entrainement Magic circuit.
　　魔力変換術式、正常稼動
　 Intervention chirurgicale de transformation magique, le fonctionnement normal. 》

マリナ、がんばるの。

何かパッとしない奴らだな、サクッと散らして次行こうか

そうか貴様らが民を苦しめる敵か……。

ネイキッド・ブレイブ第三部隊隊長、シシカバブ・ダイバード、参る！！

戦闘終了。こちらの勝ち、だね。

おつかれさまなの。

私の魅力に堪えられるわけがないだろう。甘いな……

ん？

アピが、変な感じのヨゴレ道を極めちゃうんじゃないかと思ったのよ

悪は滅びる……いや、滅ぼさねばならぬのだ！！

先に行くぞ、……っと、良い感じの枝はっけ〜ん

あーはいはい行ってらっしゃい

来てよ！？

何かあるね。使えるものかな？

サテサテ、こいつは……

ごまだれー

ほう、役に立つものだといいが。

　　魔法回路駆動
《 Entrainement Magic circuit.
　　魔力変換術式、正常稼動
　 Intervention chirurgicale de transformation magique, le fonctionnement normal. 》

マリナ、がんばるの。

男は淡々と技を試すものさ