Side：×××

最近目を閉じると、一瞬真っ暗になった後、どこかの風景が浮かぶ。
たしか、これはユメというものだ。
ユメの中で、ぼくは同じ人を見続ける。
人の形をした水を連れて、その人は歩く。
ぼくは、この人を知っている。

約束。そう、約束をしたあの人だ。
名前は思い出せない。でも、あの時、確かに。

少し時間がかかったけど、ちゃんと外に出れたよ。
そのためにたくさん××したけど、それでも出れたよ。

ねぇ、いま、
どこにいるの？

ふっと、ぼくが見ていたその人が振り返る。
ぱちりと、目が合った。
咄嗟に口を開く。向こうも、口を開きかける。

その瞬間、世界は真っ黒になった。




Side：碧里

この世界に来て五日目です。
今いるお庭は私がいた家もすっぽり入ってしまいそうなほど広いです。
時々襲ってくる人やモノも、ディー達と頑張って倒しています。
鎌を振るうのもだいぶ慣れました。もう片手でびゅんびゅん回せます。
そう言うと、ディーは何故か遠い目をしていました。なんでかな？

ここにはたくさんの人がいてとても楽しいです。ちょっと怖い人もいるけど、優しい人もたくさんいます。
ついこの前も、おなかがかっこいいお兄さんと、しっぽがもふもふなきつねのお兄さんと知り合いました。
また会えるといいなぁ。