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途中獰猛な狼やらが襲ってきて少し手こずった部分もあったが、
無事例の青年、ユリアとの試合も終了した。
結果は妙にはりきった金の鎧の圧勝であった。正直もう少し落ち着いても良かったのではないか。
これから共に行動するなら尚更、あまり相手を貶めるような真似は感心できないが
終わったことだから仕方がないのもまた事実である。

相変わらず私のにくきゅうMETALLICが治っていないのが不満だが、
幸い弾力はそのままなので下手にこそぎ落とそうとして傷つけるよりは放っておいた方がいいと判断した。
ぷにぷに。

今は戦いに一段落がつき、休息をとっているところなのだが、
さっきから人形が難しい顔をして座っているのが気になる。

正しくは、その人形の前に置かれている『物』が気になるのだが。

置かれている『物』。
全体の形は細長く、片端に行くにつれ先細り鋭利に尖っている。
性質は『槍』であろうものだが、何より一目見てわかる特徴は金彩色に輝いているということだ。
そう、それは金楊騎士の得物
すなわち金の爪楊枝である。

なんとなく疑問に思って見ていると、金の鎧が現れた。

その右手には、

——— 金の爪楊枝。

地面に横たわる金の爪楊枝、金の鎧が手にしている金の爪楊枝……
今この場には金の爪楊枝が２本存在することになる。

人形はひどく取り乱しているようだ。
正直金の爪楊枝が２本ある時点で私も戸惑っているのだが、人形の取り乱し方は私以上だ。

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　　　　　　　1ｌlマ弋T{ノ゛'てニフノ/‐−ｌ　丨''ー--ム 　　　　　　　　　あ…ありのまま 前回の作製で 起こった事を話すぜ！
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　 /'´　ー/介エｉツ.-ぅt宀",'ｌｌ　　　 丿　　 −ン
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『普通の槍が、気づいたら金ぴかに』
私は最近似たようなことがあったような……と思い、金色に染まったにくきゅうを見つめる。

……ヤナギノカミサマ？

異世界の神様の加護、と言われてもいまいちピンとこない。
神様と言うことならあのコケは無関係なのだろうか……、
私の疑問や難しい顔をする人形をよそに前向きな金の鎧は、もう一本の金楊枝を手にとった。
どうやら次の戦闘で使う気満々らしい。

しかしこの時気づいていなかったが、この場に金の鎧と人形、私のやり取りを『見ている』者がいた。
いたというよりはえているという方が正しいか。

そう、背後にはあの時の『金色のコケ』。

私たちがその存在に気づくよりも前に、地面を滑るように移動して姿を眩ました ————



***



そして場面はうつり、平原のどこか……
道から少し外れた所を今にも横たわりそうに体を引きずり歩く

金楊騎士によって深手を負った１体の、獣 ————



***

To be continued...

横から何かが突風の如く素通りする。