前回のまとめ：異世界から来たイケメンひろた。らっきー。そうだ下僕にしよう！（・∀・）b

という訳で、イケメンの執事（っぽい人）を拾ったはいいが——何故だろう、何だか妙な居心地の悪さを感じる。
薄っぺらいというか、嘘くさいというか、反応が鈍いというか。
………人のことは言えないのは重々承知しているが。
隣を歩く彼をちら、と見上げながら微笑んでみせると、ニコ、と隙のない笑顔が返ってくる。

だが、それだけ。終了。

——おかしい。
この距離で、この笑顔で、小首を傾いだこの角度で、上目づかいで、落とせない男はいなかったというのに。

（——この男、頭おかしいんじゃないの？そっち系の回路死滅してない？大丈夫かしら？）

個人的不可解さに、危うく眉間に皺を刻みかけるが。

——まあ、いい。
彼と組んで、初めて行った戦闘はそつなく勝ったことだし、何となく言うことは聞いてくれるし、今のところ特に文句も不満もない。

（とりあえず、使えるうちは使っておきましょう。こんなところ、一人で居たら死んじゃうもの）

それに、

「ヒューさん……そういえば、ですね」
「何ですか、お嬢様」
「これ、の」

首元に手をやり、花に触れる。
ちくり、とごく微かな痛みが喉の奥で揺れる。

「——呪いを解く方法、探しているので。何か手がかりがあれば教えてくださいね」