一度倒した相手に負けるわけもなく、特に苦戦することなく戦闘は終わった。
のびたクジラを二匹、ソウハが手際よく捌いていく。
さすがに大きいだけあって、捌き終わるころには辺りがすっかり血の海になっていた。さほど気にした様子もなかったが。

その様子をぼーっと眺めていると、どうやらソウハは今日食べる分とは別にお肉を分けているようだった。
アラヤが眺めていることに気づいたソウハは、片方は短期保存用の冷凍肉で、もう片方は長期保存用の干し肉にするということを説明してくれた。
あと干し肉は鈍器になるらしい。
そもそも食べ物に興味はないけど。

そんな話を適当に流しながら聞いているとお肉が焼けた。
このあとご機嫌なソウハにお肉をたくさん食べさせられた。

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次の日。
再び水辺を進んでゆく。
もうずいぶんと深いところまで来たようで、周囲は心地よい薄暗さに包まれている。

しばらく歩くと、急に暗さが増した。
不審に思い目を凝らしてみると、蠢く大きな影。
咄嗟に一歩引いて様子を伺う。
またクジラかと思ったが、よく見ると違う。
あれは・・・イカ？しかも巨大な。
アラヤたちに気がついたイカは地響きを轟かせながらこちらに向かってくる。

ソウハがアラヤの手を引いて逃げようとしたそのとき、アラヤたちとイカの間に大きな音を立てて何かが落ちてきた。
土埃の中から現れたのはいかにも魔女っぽい服装をした金髪少女。
なにやら巨大イカにわめきたてている。
ちょうどいいので、この少女にイカを押し付けてさっさと退散しようとしたが・・・。

まぁそう上手くいくはずもなく、イカの触手に逃げ道を塞がれてしまった。
どうやらイカは金髪少女とアラヤたちが仲間だと思っているらしい。

逃がしてくれないのなら、やるべきことはひとつ。