負けた。生意気。次はブチ堕とす。


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——悔しい。などと言う感情を、まさかこんな所に着てまで思い知らされるとは思わなかった。

同属に負けた。これはいい、いや良くは無い。
良くは無いが、自分の血の事は自分が一番良くわかっている。
認めたくないが、認めざるを得ない確固たる事実がある。


『混血』


純血種。そして純潔種である吸血鬼に負けるのは、仕方が無い。
土台が違うのだ。立っているステージが違うのだ。
私はまだ、そこには立てていない。到っていない。混血でありながらも純粋種に打倒しうる術を、力を、まだもっていない。

だが。だがしかし

あろうことか。たかが竜に負けた。
ここで竜種をたかがの一言で片付けるほうが間違っているのは誰が見てもはっきりとわかることであるが。
それでも、シミナ=シエラは言う。

たかが竜種と。クソ竜種と。


そういえば名前を聞くのを忘れた。いや、もしかしたら名乗っていたのかもしれないが。

——めでたいな

次があるなどと、よもやその様な思考に至るとは

愚鈍である。

嘆かわしいな吸血鬼

——まぁそんなことはどちらでもいいことだ。


響く音を無視するように。聞こえる声を意識もせずに。
そう答えをだすのだった。


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パリ、ポリ、と。
小気味良い音を立てるその歯ごたえに

割と満足な様子である。

言いながら既に銃を構えているあたり
なんだかんだでこの少女、やる気満々である。