【Ｓｉｄｅ．伯爵】
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〜１０分後〜

【ＣＭ〜めずらしせいぶつ情報局〜】
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【Ｓｉｄｅ．ネム】
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たたかってるときのフィリーはとてもたのしそう。　

やつらのくびを掻っ切るのはたのしい？　
ふみつぶし、ホネのおれるおとはここちよい？　
血飛沫はあたたかい？　
なんだかうれしい？　

もちろん、ネムもおんなじよ。　
たのしいし、ここちよいし、あたたかいし、うれしいわ。　
だけどねそれは、フィリーのものとちょっとちがうの。　

フィリーにはネムのような『憎悪』がなかった。　
あかんぼうのように純粋な、けだものの欲望をもって　
殺戮にみをゆだねていた。　

ネムはもう人間のことをけっしてわすれることができないのだから、　
完全なけだものになれやしないのだから、　

すこしだけ、うらやましいなとおもった。　



……。　



（少年の声が脳髄に響き渡る）　


　

あなたを見る眼はとても好奇に満ちていた。
突如として伯爵殿……見るからに身なりの良い服装のあなたに声を掛けた。

向けられた目線は、ネムの御人へと向いていた

ひととおり脛をこすりきって満足したのか、思ったより素直に足元から離れる謎の犬（？）。

——と、その時。近辺からギャアギャアと鳥の喚き声のようなものが聞こえてきた。
ふと脳裏をかすめる恐ろしい噂。

まさか。

悪名高きあの「殺人インコ」が襲ってきたのか。

……ユメちゃん？

詳しく話を聞くと、喚き声の主はインコではなく、少女（？）の連れでユメちゃんと言うらしい。
危機は思い過ごしであったようだ。

そう言うと、ムクという名の犬少女（？）は風のように走り去って行った。

……一体、彼女は何だったのか？
よく分からないが、その後ろ姿を見ていると、なんだかちょっぴり元気が湧いてくるような気がした。

そう言ってミヤコはネムに向かって会釈をする。