世界漂流四日目

このだだっ広い平原の中、何やら待ち構える兵士たち。

◆◆この世界について◆◆
○兵士
やたらと叫ぶ。
何かと言っては叫ぶ。
そして"昼食野郎様"と言う言葉を残して倒れた。

ヤツらの強さはかなりのものだろう。
さすがは一介のとは言え、城の兵士というわけだ。
正直に前にかったいのが立っていて助かったというべきか？
まぁこれからは、さらにがんばって耐えて貰わんと……いや、無理矢理にでも耐えてもらうかな。

▽▽エンブリオについて▽▽
新たな契約をしたはいいが、どうやら勢い余って育てすぎたらしい。
名をエンジェルと言うが──天使とな？
うむ、よく解らんが、傷を癒すことが出来るようだ。
主にギラを無理矢理立たせておくために使うことになりそうだ。

"新説！第二創世記"によると、天使とは神の手羽先であると言う幻想生物なのだとか。
……おそらく校正ミスだとは思うのだが、これも既に150版まで行ってるしのぉ

面白いことに、私の世界では具現化精霊としてこの天使型とやらはやたらと人気がある。
そもそも具現化精霊は、日常雑事や細かい作業の補正を行うためのサポート術式ではあるのだが、羽と言う邪魔な物が付いてる天使型が人気なのは不思議でならん。
別に羽なんぞ無くても飛翔機能ぐらいは付けられるのだが……

◇◇同道する仲間について◇◇
ギラは予想以上と言うよりかは予想通り程度には、固い。
何か叩かれる度に変な声が聞こえてるが、接触型の音響耐衝撃装置か何かだと思う。
あと出立前に何か悶えておったが……
……やはり性格も結構やばいのだろうか？

ヴァンエッタは……何やらちらちらとこちらへの視線を感じる。
何か言いたいことがあるようだが、よく解らん。
まぁ解らんのは放って置くことに限る。
とりあえずこの集団においては、ヤツが引っ張る役目を担う形になっているし、私から何か特別な行動を起こす必要も無かろう。
まぁ、あの装飾は少々気にはなるのだが──
もし異世界へ渡る技術の持ち主ならば、その方式を聞いてみたいものだ。

と、胸元から覗くカードを指で摘み、取り出します。