そして彼女は四つめの願いを口にした。
もう誰にもこの病気をうつしたくないと。
三つめの願いにより、彼女の中から悲しみという感情は既に消えているはずだった。
ならば四つめの願いは一体どこから来たのだろうか。
それは難しい願いだった。だが、不可能ではなかった。
彼女の病気は、その原因となる存在が世界と彼女に合わせて変質したために生じたものだった。
つまりその世界の光と空気の中でしか、視線を通じて感染することはできない。
次に彼女が大きな一つの目を開いた時、そこは既に彼女が生まれた世界ではなかった。
元素の世界。
この世界ならば、彼女が誰と目を合わせても、決して病気が感染することはないだろう。
彼女は心から喜んでくれた。
私はその感情を心地よく思った。