【第三回　タンポポ荘へようこそ】　　　　　スペシャルサンクス：ENo.5　ポポロ・ダンドリオンさん

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満足そうな笑みを浮かべながら町を歩く隼人。
その肩には小さな妖精、アルエ。
二人の笑みには理由があった

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町で家賃などが安そうな家を探していた隼人。
しかしどこもいい値段がしており、安月給の隼人にはとうてい払うことは出来なかった。

文化的な暮らしができない。
確かに生きていけるが、隼人としてもそろそろ文化的な生活はしたい。
いや、それ以前の問題もある。

耳が痛くなるような言葉。
どこの誰が発したかはしらないが、その言葉は隼人に多大な制約を与えている。
ゆえに、隼人はできるだけお金がなくなるような事態は避けている。

ふぅ、とため息を吐いて壁に寄りかかる。
金は出来るだけ使わず、ある程度しっかりした家。
そんな都合のいい家がどこにあるというのか…。

そういって何かをもってきたアルエ。
それをみた瞬間に、隼人は思考がストップしたのだ。

【タンポポ荘　入居者募集。家賃光熱費無料！】

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ポポロ「もちろんです！
タンポポ荘は背の高い方でも歓迎ですよ！」

周りの人々に尋ねながら歩き回って数時間、ようやく見つけだしたのはポポロという、タンポポ荘の管理人だった。
管理人から即入居ＯＫのサインが出た隼人は内心ガッツポーズをするが、当然表にはそれをださない。

だが、うれしそうな顔は隠さず、ポポロという少女と面と向かい、右手をだして握手をしようとするが
彼女は隼人の一点をみつめていた。
サングラスという物を。

ポポロ「そのサングラス、格好いいですねえ
ポポロもつけてみたいです」

隼人のサングラスに興味があったようで、彼女はそのようなことをいってきた。

隼人は特に気にした様子はなく、彼女にサングラスを手渡す。

サングラスは特注の品で、数万円ほどしたものだ。
壊れたりしたら少し困る。
が、そんな簡単には壊れないよう作ってもらっているうえ、この程度のことで管理人と仲良くできる。
ならばこの程度は快く貸そう。

きゃっきゃっ、とはしゃいでいる彼女を見ながら隼人は笑みを浮かべる。

元の世界ではそれなりに高給取りだった。
その給料はほとんど孤児院に寄付していた。
そのときに会う子供たちは隼人と会うと怯えを見せていたが、隼人はそれでも寄付を続けた。
理由はすごく単純。

子供たちが見せる笑顔が、とてもまぶしく、綺麗で、そして——

自分がもてなかったものだから。

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えげつねぇ、とつぶやく隼人。
師は、自分がどれだけ追い込まれようと手を貸さず、観察するような目でこちらをみていた。
別に悪いことではないし、それが契約なのだから文句もいえないが。

天井を見つつ、ほぅ、とため息をつく。
師が何をやらせたいのか、よくわからないが、自分は自分のできることをやるしかなかった。

アルエからの言葉にすぐたたずまいをなおしてアルエに頭を垂れる。
アルエを中継し、あちらにも映像が流れるからだ。

師「元気そうね、隼人」

久しぶりにきいた師の声は、なにか楽しそうだった。

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次回予告

師からの突然の連絡。
告げられる無常な指令。
隼人はその指令に決断を迫られる。
考えろ隼人。
思考を止めるな。
行動をせよ。
そして、自分が選んだ道を突き進め！

次回、第四話
【ガールズバー設立】

極道の生き方から目をそらすな！



注意：ポポロさんの行動は全てＩＦです。

そう言って彼女は自身の胸を指さす。

真顔だっ！！

案の定の怒鳴り声。振り向けばすぐ背後に顔を出してきそうな錯覚。派手に転ぶ、打撲。

走れるに走れなくなる。気持ちだけが焦る中小さな声に気づく。

予想以上に小さい尋ね人に若干戸惑いながら……そもそも落としたという記憶が無い……ので

小さな鎌を手に取る。何よりも逃げてる最中に手荷物を増やすわけにもいかず……。

体格差が大変そうだなとは思いつつも、あのサングラスが走ってきても可笑しく無い状況だ。
お礼はするが……余裕は全く無く……。ズリズリと歩き出す。

……何より案外可愛いので出来ればお持ち帰りしたい気持ちはぐっと抑えておく。

彼女は自分の頬を彼の頬にすりつけて冷やしてみる

合わせた目線に悪戯っぽく返しながらウィンクを返した。