あの不気味な夜から数日経った。
最初は外したくて仕方なかったが、特に害もなく前と同じように機能は使えるので気にならなくなっていた。

「新機能が追加されたと思うしかないか…」

画面の下の方に話しかけるかのように文字が表示される。

しンキのウ…？

俺の言葉に反応している所を見ると意思がある。
何かが取り付いたという事なのだろうか…。
考え事をしていると背中の方から服を引っ張られる。

「どうした…アンジェ？」

後ろを見ると無表情の瞳が見つめてくる。
数日で過ごした事で大分アンジェの思ってる事が理解出来る様にはなっていた。

「飯か…うーん」

街で賞金首を狙う人を紹介してもらったので会う予定がある。
予定よりかなり早いが…。

「せっかくだから食べに行くか」

指定されている酒場に入る。
カウンターに行き、簡単な食べ物にミルク、それに酒を頼む。
金を支払い待たせておいたアンジェと座って食べる。
パンに野菜とソーセージを挟み、上からソースが掛かっている食べ物だ。
手軽に食べれてうまい。
アンジェには店の親父がオマケしてくれた切った果物に甘い蜜が掛かっているデザート付きだ。
適当に食べながら時間を待つ。
ふと店の中を見渡しているとアンジェと同じくらいの少女と仮面をつけた男が目についた。

「ふむ」

何気なく別の方向を向き、目を閉じ耳を研ぎ澄ます。
賞金首…山分け…協力関係…
他の喧騒もあるので途切れ途切れに聞こえてくる。

「やっぱあの二人か」

アンジェを連れ二人の下へと向かう。
特徴は聞いていたが、実力が気になる所だ。

「遅れてすまないな」

仮面の男と少女がこちらを見る。

「俺はイツキ
　それは連れのアンジェだ」

二人も自己紹介をしてくれた。
仮面の男はペナ、少女はサチという名前らしい。

これで少しは運が向いてくるといいのだが…。

そう思いながら俺は今後の計画を立て始めた。

キラーインコを見ながら言った俺の発言にペナが「食うな」と釘を刺してくる。

　　　　　　　背負った竹を肩越しに抜いた