しゃちょうのにっき４日目


みなさんは"諸葛亮孔明"という方をご存知だろうか？
そう、あの三国志において大活躍した蜀の天才軍師、孔明先生だ。

孔明先生は蜀に入ってから破竹の勢いで大活躍するのだが、
蜀に務めるまではどうやって生活していたのだろう？

私は気になって調べてみた。
結果、なんと27歳まで遺産で食いつないでいたプー太郎だった。

わしも現在27歳。同じくプー太郎。
何か近いものを感じる。
「ひょっとして…わし孔明先生の生まれ変わりなのでは……？」

いやきっとそうに違いない。私の歴史を振り返ると孔明先生と似た幾つもの類似点が見つかるのだ。

そう例えば……あれががくｓ

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背後から魔物の特有の野太く、掠れた声が聞こえる……


わしは日記を閉じ、背後を振り返った。
そこには筋肉質の紫色の魔物"ミニベヒモス"が立っていた……

どうしてこうなった……
わしとしたことが、初めてのPTの成功で調子に乗っちゃって、こんな危険な場所を選んでしまったのだろうか……


いや…そんなことはない……
わしは弱く美味しい"エリンギ"を求めてこの森に入ったのだ。

そう、わしは確かにエリンギの姿を見つけたのだ。
逃げたエリンギを追いかけ森の奥へと入って行った。

その判断が甘かったのだ……
地の利を活かしてにげるエリンギに、わしは追いつくことができなかった。

「しょうがない、入り口に引き返すか」と振り返った瞬間
そこに、この"ミニベヒモス"が立っていたのである……

魔物は意外にも承諾してくれた。
わしは無防備な背中を魔物に見せ、せっせと冒頭の日記を書き、そして今に至る。


「……やるしかにぃ……」
出会っちまった以上、この世界では逃げることは出来ない。
わしは覚悟を決めた。

杖を強く握りしめ、ミニベヒモスに突っ込んでいった
わしがこの世界にきてから、最もしんどい1日が始まろうとしていた。

そう呟きながら、ピアは社長のジェスチャーを少しだけ真似てみせる。

声をかけられ、振り向く……

トシは幾分か訝しげな表情を浮かべる。
社長の身なりをまじまじと眺めつつ、こう答えた。

何やら考えて……

何を思ったか、いきなり納得したように声を上げる。

どうやらトシは、タンポポ荘内での筋トレ仲間が欲しかったようだ。

そう前置きしてから、応え始めた。