【マハ＆チェリオ＆ギル】




辺り一面は枯れ果てた大地
時折吹く砂風と熱が
容赦なく身体を刺激する



「・・・」
「・・・」



僕は暑いのは平気だ
しかし、マハさんとチェリオさんは
どうやら暑いのが苦手らしい

足早に歩く僕の後を
マハさんは俯き気味で黙ったまま（心底嫌そうな顔をしてるのは見なくてもわかる）
チェリオさんは「あっついー・・・」と汗を拭いながら
遅れ気味で歩いてる

2人の方へ歩みを緩めながら
いつもは先頭をきって颯爽と歩くマハさんの隣に立つと
僕の影に気付いたのか
彼女は顔をあげ、大きな目でこちらを見た

「・・・何だ？」
「いや、少し休憩しますか？お二人とも疲れているようだし。」
「・・・いい。」
ふいっと顔を逸らすと、またそのまま歩きだす
足早に僕から遠ざかると、その後からついてきていたカネルさんが
なぜか僕をにらみながらしっしっと手で払い、そのままマハさんを気遣うようについて行った

「・・・？」
ぼくは何かしたんだろうか？

「ねえねえーギルくんは暑くないの？」
振り返ると、手で顔をパタパタ仰ぎながらチェリオさんがゆっくり歩いてきた
「暑いですが、お二人ほどはそう感じていないかもしれません。」
「へぇ、そうなんだ〜！僕もマハちゃんも暑いの苦手だから、うらやましいなあ」
へへっとチェリオさんは笑いかける
「そこでさ！僕からとっても良い提案があるんだ！」
「？」
「次の街でさ、みんなでアイス食べようよ！」
「はあ。」
「そしたらね！身体もひんやり気持ちよくなるし、みんなでアイス食べるからさ、
もっと仲良しになれると思うんだよね！これこそ一石二鳥！」

目をキラキラ輝かせて手を大きく広げながら語るチェリオさんはとても嬉しそうだ。
少し足早に駆けてゆくと、
先を歩くマハさんにも同じように声をかけながら
隣でぴょこぴょことはねている
「マハに近づくな、鬱陶しい・・・」
「ねえねえ、マハちゃんもアイス食べるよね！ね！」
「だからマハに・・・」



二人のやりとりを後方で見ながら
照りつける太陽を見上げる


アイスか
・・・少し僕も食べたいかも
さっぱりしたのがいいな

そんなことを思いながら
僕も歩みをはやめた

(砂地の暑さにまいった様子で項垂れ)

鼻先にギルの指先が触れれば瞬いて。
何かを察すると慌てて自前の道具箱から小さな手鏡を取り出し、自らの顔を確認した。

猫は咥えていた鴨を解放する！

鴨は葱を振り回しながら 猫から逃げ 敵陣へ突っ込んで行く！！

ばっ！と腕を振り上げる

猫は、戦い疲れてへばった鴨を捕獲した。ガブリ。

鴨は首根っこを猫に咥えられ、お持ち帰りされる…