——同行する皆と無事合流した日の夜。

眠るふわもこを撫でながら夜空を眺めていると、『システム』からこんな質問を受けた。

事情を知らない人が聞いたら意図を掴みにくい質問、これは『今世代の僕がどのような方針で目的達成を目指すか』という事だ。
僕は少し考えた後、答える。

『システム』にそう伝え、改めて夜空を眺める。
空に光る星々を見ていると、とある先代の事を思い出した。

そういえば今回の方針で進めるには彼女の経験は多くの助けになるかもしれない。
そう思った僕は目を閉じ、『慧眼』と呼ばれた12人目——シェリア＝スターライトを思い起こす。



〜・〜・〜・



[No.12:Shelia=Starlight]


彼女は先代の中でも珍しく『観察する』事について己を磨いた人だった。
観察を通して自分の知識・視野を広げる事で『目的』を達成できると考えたのだ。


彼女は様々なものを観察した。

——身の回りの物を観察し、物の作られた理由を探した。

——植物を観察し、自然が自分達に分け与える恵みを探した。

——動物を観察し、野生の中で生きる動物達の力の源を探した。

——人々を観察し、それぞれの人が持つ本質、そして人が持つ可能性を探した。


彼女は様々なものを観察した。
そうする事で、見えざる『何か』を目指そうとしたのだ。

それは『彼女の時間』が終わりを告げるまで続き、その熟練された観察眼は後代に『慧眼』と称されるまでに至った——



——それともう一つ。

彼女は星空を見る事が大好きだった。
一つ一つがそれぞれ違う輝きを発し、見る度に違う世界を彼女に感じさせた。

彼女は願った。
もしその輝きを手元に——この水晶球の中に閉じ込める事ができれば、と。



〜・〜・〜・



彼女はその観察眼によって星の輝きの本質を得る事が出来た。
しかし、彼女はあくまで『観察する』事に特化した人であり、
そこで得たものを外部の物に具現させるような事は専門外だった。


僕がこれから目指そうとしているのはまさに彼女が願った能力だ。
そして、この能力にはものの本質を見抜く『慧眼』の能力が不可欠だと思う。

夜空の星々を眺めながら、僕はそう決意した。

龍はやや不快そうな様子でまくし立てるように言った。

花蓮に諌められ、龍は視線を脇に逸らして黙り込む。

龍は話の間黙っていたが、その言葉を肯定している様子には見えなかった。
花蓮は話を続ける。

フェアリードライバーのバックル部分を展開すると、電子音と共に穏やかな光を放ち始めた。

フィリアスから宝玉を受けとり、バックル部分にセットする。
シュウスケの全身に強化骨格が瞬時に転送され、戦闘準備が完了した！

フェアリードライバーのバックル部分を展開すると、電子音と共に穏やかな光を放ち始めた。

フィリアスから宝玉を受けとり、バックル部分にセットする。
シュウスケの全身に強化骨格が瞬時に転送され、戦闘準備が完了した！