★第三週　にゃんだふるらいふ


ひょこ


ひょこひょこ


ゆらゆら揺れたネコじゃらし。

卍人たちと出かけたときに出会ったケット・シーを家に連れ帰ってみました。


耳に顔に足元にネコじゃらしを揺らしてみたらどうやってもとびかかってきたり、前足でつついたり



『堪能してるわね。ティシア』

はっ…

「…病み付きになるよね。」

なんとも言えない衝動に駆られていた。

悶えるって、こういうことなのか。


のそりと寝そべって遊んでいた体を起こして

「エレアナにも効くかな」

『さぁどうかしら』

試しにとネコじゃらしをエレアナに向けようとして

「…やめとこう。イメージ崩れる」

『あなたの中で私にどんなイメージしてるかは知らないけれど賢明だと思うわ。』

変なオーラ出てたからやめた。



ケット・シー用にミルクを取りに台所に向かう。
食器棚から飲みやすそうな平皿を探しているところ。

『ティシア、次は私もつれて行って』

棚を開けて取ろうとした手がピタリと止まる。

「え。どうしたの急に」

『だってなんだか楽しそうなんだもの、ティシア』

「そうかな」

止まった行動を戻して平皿にミルクを注ぐ。
ミルクの入った平皿をケット・シーの前に出すと、すぐに口を付けて飲み始めた。

「確かに楽しい。今まで経験したことないことばかりだから。」

椅子に腰かけてケット・シーを見つめる。
もともとはこのケット・シーも自分達に襲い掛かってきた。
すばしっこいというか、攻撃はほぼ回避され、仲間が居なければ勝てなかったかもしれない。

「でも、とても危険だよ」

『そんなの理解してるわ。でもティシアだけだと心配だもの。』

外は危険がいっぱいで、エレアナが怪我したらなんて思うものの、確かにエレアナがいてくれたら心強いと思う。
そういえば先延ばしにしていた卍人たちに会わせるという約束もまだだ。
これはこれでいい機会なのかもしれない。

「じゃあ、次に行くときは連れて行く。約束。」

『ええ。約束。』

無機質な小さな手と、ティシアの手を合わせる。


空になった平皿を最後に人舐めして　にゃあ　と一鳴いた。

まだ飲むのか


★第三週　終

にゃんだふる

＞ティシアさん

　　　　　　静かにはたきを構え

　　　　　　襟元を正しながら周囲を窺い

*何かを発見して嬉しそうだ*