───アタシの名前は五木。心に傷を負ったアラフォー女子。
　喪て皮スリムで不幸体質の愛されガール♪
　アタシがつるんでる友達はネクター交際をやってるゴキ美、家族にナイショで残飯あさりで働いてるゴキ香。
　訳あって葦高グループの一員になってるゴキ奈。

　友達がいてもやっぱりヒキニートはタイクツ。今日もゴキ美とちょっとしたことで口喧嘩になった。
　女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で下水道を歩くことにしている。
　がんばった自分へのご褒美ってやつ？自分らしさの演出とも言うかな！

　「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいエンブリオを軽くあしらう。
　「カノジョー、ちょっとネクターくれない？」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
　ゴキブリオの♂はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大２ｍのアタシを見て欲しい。
　「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。
　シカトするつもりだったけど、チラっとエンブリオの♂の顔を見た。
　「・・！！」
　・・・チガウ・・・今までの♂とはなにかが決定的に違う。
　スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを駆け巡った・・。
　「・・（カッコイイ・・！！・・これって運命・・？）」
　♂は魚類だった。連れていかれてカツアゲされた。
　「キャーやめて！」アジリティをきめた。無意味だった。
　「ガッシ！ボカッ！」アタシは死んだ。スイーツ（笑）


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全身びしょびしょにぬれた状態で五木はゆっくりと体を起こした。
エンブリオ３体にボッコボコにされたため体を動かすのも辛いが
このまま地面に転がっていても服は乾かないし、体は冷える一方だ。
替えの服があるならまだしも、着の身着のまま、替えの下着すらない状態である。

立ち上がるのはひどく億劫で、座り込んだまま恨みに思考を沈める。

体をよろよろさせながらもどうにか立ち上がり、
たっぷりと水を吸ったマントを脱いで、怒りの力を込めて絞る。

力に任せて布を捻じる。
滴り落ちた水で地面の泥が跳ね、足につくのを感じて五木は嫌そうに顔をしかめた。
マントの水分を絞れるだけ絞ると、次は寝間着を脱いで同じように絞り始めた。

ぎゅうう、と力いっぱいマントを絞る。
マントから絞られた水音と——背後からザバッという別の水音が聞こえ。

シカトするつもりだったけど、チラっと水音のした方を見た。

・・・オナジ・・・さっきのエンブリオと決定的に同じ奴がいる。
デスパレットな感覚がアタシのカラダを駆け巡った・・。

エンブリオは魚類だった。また連れていかれてカツアゲされるのだ。
インパクトをきめても無意味だと思う。

五木は全裸で土下座した。メシウマ（笑）

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