そもそも、ちんたらにやけ面で余裕ぶっこいてる奴らも気に入らない。こいつらにとってこの世界はちょっとした暇つぶしの様なものなのだろう。誰を助けるか、誰を見捨てるか。全部自分の気のままで取捨選択するんだろう。外野の、他人の、神の戯れ。俺たちはおもちゃじゃない。断じてお前らの為になんて生きてない。生きるものかよ。踏みにじられてたまるかよ、拾われてたまるかよ。行き場をなくした根無しの外来種共。駆逐されてしまえばいい。気に入らない。気に入らない。

これは、俺がまだ、救われているからそう思っているというのもあるだろう。助けてくれるなら、誰でもいい！って、それぐらいに切羽詰ってる人が大勢居るんだろう。そうだよな。救われたいよな。許せないよな。手段なんて、選り好みしてられないよな。使える物は、なんでも。使わなくちゃな。

すまない。


でも、それでもやっぱり、気に居らないんだよ。
ここじゃない、何処かから来て、ここじゃない、何処かに行けて、そして、過ぎ去っていく、あの、綿帽子が。



俺たちには、ここしかないのに。
ここしか知らないのに。

朽ちる場所は、決まってしまっているのに。


気にいらない。気にいらない。



救ってくれ。皆を。救うな。近寄るな。助けてくれ。




気に入らない。



水面に揺れる、花が、綺麗だ。花は、嫌いだ。



拙者はそれを掬い、放り、投げた。