メルンテーゼに来てから何体かエンブリオと呼ばれる生命体を回収した。
魔力変換は実際にできているが、いかんせんここはあまり技術が高くなく、実験装置の工作精度が悪い。
根本的な問題として、大規模な精錬施設がないので金属製品を作るのが難しい。
鉄製品だけなら手作業の鍛冶を行うことでどうにかなるのだが、それにしても細かい実験具は如何ともしがたい。
全く科学技術の発展とは巨人の肩に乗り続けることで成り立っているのだと実感させられる。

まずはエンブリオの魔力を使った発電機の作成から始めるべきだろうか。
もっとも、発電機を作るにも良質なコイル用の電線と磁石が手に入るかという問題があるのだが。

ここにいるということは一揆の参加者だろうということは理解はしている。
だが、彼女は突然の問いに若干戸惑っていた。

貴方が道を歩いていると、不意に声をかけられる。

その声をかけたのは、長身の女性型アンドロイド。
見た目は人間の女性に見えるが、ところどころに装備している金属部品がそれを否定する。

そのアンドロイドは、貴方に向かって丁寧に一礼をし、

初対面での唐突な依頼だが、アンドロイドは真剣な顔つきで頭を下げている。

右目で、『それ』を視る。
それは、呪い。右目のもの、同質、いや、それ以上の、『塊』。
————まるで、この世の、全ての悪意。